FLC日記 2022年11月15日(火) くもりのち晴れ
「イチゴの果実が成長するときに、しっかり日を当てにゃんとたい。そのための作業が“玉出し”って言うとばってん、うちでは花の段階でしっかり日に当てるように取り組みよるとたい。言うならば“花出し”ってとこかな!そうするとミツバチたちも花を見つけやすくなって、しっかりと交配してくれるとたいね!」
イチゴの匠「ayuberry farm」の吉田幸浩さんが、そう話してくれました。


その作業は、本当に見事に徹底されていました。
畝(うね)にあらかじめ用意したひもと、竹串を使って葉っぱは畝の中央に、花や成長中の果実は葉に隠れないようにしっかりと畝の外側に出してあります。

吉田さんのお話通り、葉に隠れずしっかりと花が日の当たる見える場所にあるので、ミツバチたちも花を見つけやすく次から次へと飛び回り交配(受粉)をしてくれています。
こうしてきちんと交配ができれば、形の良いイチゴができるのだそうです。

ここは熊本県山鹿市にある「ayuberry farm」さんの熊本産高級イチゴ『さがほのか』の栽培ハウスです。
吉田さんと奥様とで徹底した作業が行われていました。

熊本の旬の食材を販売する、ネットショップ「FLCパートナーズストア」では、今期(令和4年度)から、イチゴの新商品として「ayuberry farm」さんの『さがほのか』をネット独占販売いたします。
現在、現地取材を重ねながら、新規販売に向け全力準備中です!

今回の取材の様子に話を戻しましょう!
この日、吉田さんと奥様は同じ畝の前後で別の作業をしていました。
「私はハサミを使ってランナーを切る作業をしてるの。」と奥様。

こちらは以前取材した「ayuberry farm」さんの苗床の様子です。
イチゴは多年性の植物で、ランナーを伸ばして新しい株を作り子孫を増やします。
それぞれの株から伸びた赤い線のようなものがそのランナーです。

ランナーの先には新しい苗となる葉っぱが出ています。
それを土に固定してあげると、ランナーで親株からも栄養を受けながらそこに根を伸ばし新しい株へと成長するのです。

苗床で苗を増やす際にはランナーはとても大事ですが、今は苗が花をつけ着果し果実を成長させる栽培の時期です。
ランナーを伸ばし新しい株を作ろうとすることは、果実の栄養をそちらにとられてしますので、むしろランナーは不要の為、徹底的に切り取るのです。

一方、ご主人の吉田さんは“泥芽”を取り除く作業を徹底的に行っていました。
「この泥芽も栽培においていらんとたい。これを放っておくとこれに栄養ば取られるけんいかんとたいね。」
“泥芽”を摘み取ることについては、昨日のブログで詳しく紹介していますのでぜひそちらをご覧ください。
昨日のブログ
FLC日記 2022年11月14日(月)
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「泥芽はね、こうして手で引き抜くようにして取るとたいね。でもランナーはうちではハサミで摘み取るとたい。以前はそれぞれの畝で両方の作業ばしよったとばってん、そうすると何回もハサミを持ち替えたりして効率が悪かったわけよ。」

「そこで、まずはハサミを持ちっぱなしでランナーを切り取る作業だけをしてもらって、そこを俺が追いかけて泥芽を摘み取る作業だけをするようにしたとたいね。たった2人で作業ばしよるとだけん、とにかく効率を上げてその分はちゃんとイチゴの苗たちに手をかけてあげたいとたい。」
吉田さんはそう話しました。

「吉田さん!もうしっかりと色づいてるイチゴがありますよ!」と言うと、
「笠さん!それ食べてよかばい。ただ、まだハチたちが交配をきちんとする前のイチゴだけん、形はよくないと思うばってんね!」と吉田さん。

吉田さんのお言葉に甘えて、そのイチゴをいただくことにしました。
『さがほのか』特有のイチゴの芳醇な香りがします。
写真を撮っていると吉田さんがそのイチゴをのぞき込み、「うん!大丈夫!絶対に甘かばい!」と言いました。
「なんでわかるんですか?」と尋ねると、
「企業秘密!ハハハっ!ウソウソ(笑)!収穫のころにまた取材来ると、その訳はしっかり教えるばい!」とのこと。
さらなる取材の楽しみが増えました。

私は「ayuberry farm」さんの安全性への取り組みも知っていますので、その場で洗うことなくかぶりつきました。
「甘っ!」思わずそう叫びました!

「笠さん!それがうちのイチゴて思わんでね!商品にするとは絶対にそんなもんじゃなかけんね!」吉田さんの自信の一言が聞けました。
私が何のためらいもなく洗うこともせずにその場で摘んだイチゴにかぶりついた安全性については、また後日きちんと紹介したいと思っています。

そうこうしていると、奥様が次の“玉出し(花出し)”作業に移りました。
「この作業もホント徹底してしないと美味しいイチゴはできないのよ!」と奥様。
吉田さんものその作業に追随します。

「ちゃんと花は畝の外向きに出るように苗の向きばそろえて植えとるって、定植作業の時に説明したたい。ただ、葉っぱはどぎゃんしてもそれに覆いかぶさることもあるとたい。だけん、花芽にしっかりと日の当たるように、ミツバチたちも見つけやすいようにこうして葉を内側に入れるとたいね。」

「あらかじめ張っているひもだけじゃ、押さえこなさんけん(押さえきれないから)、竹串を使ってしっかりと止めるわけたい。」と吉田さん。
葉を内側に入れると、花芽にパッと日が当たり始めました。

一番花の果実は惜しまぬ手間暇をかけ、花出し作業をしたことで、ミツバチたちもしっかりと交配をしてくれて、とてもいい形で成長していました。
花びらもきれいに落ち始め、すごく順調のようです。
「2番花も出てきてますか?」と尋ねると、

「いやぁ~!嬉しい!2番花の芽吹いてるのも見てくれると?」
奥様がとてもテンション高く話しました。
「ほら!こうして順調に芽吹いてるのよ!」そう言って指さします。

そこには本当に元気な2番花が芽吹き成長していました。
「ねぇ!良いでしょ!こうして次の花芽もきちんと来ているから、収穫も切れることなくできると思うのよね。」
まるで、我が子の成長を自慢するかのようにとても嬉しそうでした。
それほどまでに愛情たっぷりに育てられているのですね!

「FLCパートナーズストア」では、「ayuberry farm」さんの熊本産高級イチゴ『さがほのか』を今期より新規販売いたします。
これだけの愛情を注いで育てられる『さがほのか』が私は楽しみでなりません。
『さがほのか』を商品にした際の詰め方や内容量などは、これからきちんと打ち合わせしより良い商品にしたいと思っています。
12月中旬からの出荷を予定しています。
「ayuberry farm」さんの熊本産高級イチゴ『さがほのか』に大いにご期待ください!
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
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