FLC日記 2020年12月26日(土) 晴れ
「梨の枝は、極端な話をすると、皮1枚残っとくとつがるって言うくらい強かとたい。ばってん、そこは上手く幹を活かしながら最低限の折れ方で誘引せんとすぐに良い実をならせることはできんとたい。」
匠の農家さん「本藤果樹園」園主の本藤猪一郎さんがそう言いながら見事に誘引作業を行っています。
こちらが適度な力を加えながら、最低限の折れ方で誘引された結果枝の根元部分です。
熊本県菊池市戸豊水(とりうず)にある、こだわりの『樹上完熟梨』を生産する「本藤果樹園」さんの梨園の1つに冬の剪定作業の様子を現地取材に伺いました。
ここでは主に熊本限定栽培品種の梨『秋麗(しゅうれい)』を栽培しています。
「本藤果樹園」さんは、広大な梨園で、6品種の梨を栽培しています。
熊本の旬の食材を販売するネットショップ「FLCパートナーズストア」では、その中で4種類の梨を販売しています。
いずれも“朝採り”の“樹上完熟”にこだわった美味しさで大人気商品です。
とりわけ、写真の『秋麗』は、酸味のない濃厚な甘さと、芳醇な香り、さらにはサクッとした触感で、すでに来年のご予約を多数頂戴しているほど大人気です。
『秋麗』は、2003年に、品種登録された梨で、熊本のブランド梨として、県をあげて推し進めている梨です。
『秋麗』は、果皮の見た目は、けっしてきれいだとは言えません。
“青梨”と言う部類に入る品種で、弊社で販売する、他の“赤梨”に比べても、なんだか熟していないような見栄えなんです。
しかし、ひとたび口にすれば、誰もが一瞬で好きになるような美味しさです。
梨の中でも、しっかりと芳醇な香りがします。
さらには、サクッとした食感も良く、酸味のない甘さがとても程よく上品で、今期もすでにたくさんのリピート購入のご予約をいただいていて、毎年決まって完売する人気ぶりです。
さて、話を剪定作業に戻しましょう!
作業を行っているのは「本藤果樹園」園主の本藤猪一郎さんです。
「本藤果樹園」さんでは、猪一郎さんのご両親の本藤賢一さん、本藤郁代さんご夫妻が長年培ってきた栽培技術を息子の猪一郎さんが伝承しながら、さらに新しい技術を導入し発展させ“本物”と呼べる梨たちを育てています。
足元には剪定を終えた枝が、たくさんありました。
先ほどの写真にあった真上に伸びた枝から、不要な枝を切り落とし、実らせる枝を選び出し誘引するのが冬の剪定作業です。
「ここまで太い枝だと、ちょっと技術がいるとたいね。」
猪一郎さんはそう言うと、枝に剪定ばさみで縦に切り込みを入れ、ねじるようにして誘引を始めました。
「パン!」と言ったような乾いた音がしました。
「今の音を聞いた?あんな感じの音がした時は上手くできたって言うことたいね!一部枝は折れながらも上手く誘引することができたばい。」と猪一郎さん。
誘引した枝は、果樹園内に張り巡らされているワイヤーに、麻のひもを使って固定します。
そうすることで、結果枝に満遍なく日をあてながら、収穫するための果実の管理も行っていくのです。
ワイヤーにしっかりと固定することで、台風などの強風でも枝が揺れずに果実の落果を防ぐことにもなります。
誘引した枝には、丸々とした新芽のつぼみがありました。
誘引すると匠の判断で、不要な新芽を切り落とします。
その判断の速さと手際の良さには、毎年見てきた私も感嘆の声をあげずにはいられません。
「この芽は小さいでしょ?おまけに下向きだけん切るとたいね。逆に真上に伸びるのも果実が実っても成長の過程で落ちるけん切るとたい。」
「不要と判断したら早めに摘んであげると、そこに行くはずだった養分を育てる果実に使うことができるし、後で摘果作業で落とす必要もないたい。数ではなく、より良いものを育てにゃんけんね!」と猪一郎さん。
摘果作業を行っている5月上旬ころの梨園の様子です。
「FLCパートナーズストア」を運営する株式会社旬援隊の代表取締役の私(笠泰紀)は、弊社で販売するすべての作物の、その栽培の様子農家さんの惜しまぬ手間ひまや匠の技を、年間を通して現地取材しこのブログで紹介しています。
もちろん「本藤果樹園」さんの梨栽培の様子も、もう何年も年間を通して現地取材してきました。
冬の剪定と誘引作業で結果枝はこのように満遍なく日が当たるよう平行に並んでいます。
冬の剪定作業の取材の際は、毎年タオルで顔を覆っている写真ばかりですが、これからも令和3年の収穫へ向け、たくさんの惜しまぬ手間ひまと匠の技、徹底管理の様子を取材しますので、その際にまた猪一郎さんのお顔も含めあらためて紹介いたします。
「FLCパートナーズストア」では、令和3年度も「本藤果樹園」さんの『樹上完熟の熊本梨』をネット販売いたします。
こだわりの樹上完熟の梨はみずみずしさが違いますよ!!
来年も7月下旬の『幸水』からスタートし、『豊水』、『秋麗』、ジャンボ梨『新高』と続きます。
令和3年度の「本藤果樹園」さんの『樹上完熟の熊本梨』にも、大いにご期待下さい!
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
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