本日はご多忙の中、父、笠泰の通夜に参列いただき、誠にありがとうございます。
平成と言う時代がまもなく終わろうとするこの時に、全く予期せぬとてもとても急なこととなりました。
平成31年、4月24日、午後3時28分、父は88歳の生涯に幕を下ろしました。
ご存知の方も多いとお思いますが、父は長年、小学校の教員をしておりまして、天草市栖本町の河内小学校にて校長を務め定年退職しました。
また、父は菊池や阿蘇での教員生活が多かったようで、私が生まれる前の父が若かりし頃には、現在私が暮らす、菊池水源の水源北小学校にも赴任しておりまして、
「笠先生は元気ね?昔お世話になったとたい。」
「うちは息子の担任だったとばい。」
「俺はたいぎゃ悪ごろだったけん、まうごつ怒られたばってん、大好きな先生だったばい!」
などと、この地元の多くの方々に声をかけて頂いておりした。
私はその都度、
「ここ最近は少し弱りはしましたが、元気にしております。」と答えていました。
定年後は、母と二人、よくケンカもしていましたがのんびりと楽しく暮らしておりました。
今から、16年前、平成15年のことだったと思います。
父は、脳梗塞で倒れました。
一時は生死をさまよう状況となり、命はとりとめたものの、倒れる前と同じ暮らしをするとは難しいだろうと思っていましたが、奇跡的に回復し、自ら車の運転もし、趣味のグランドゴルフを毎日楽しむようになっていました。
ただ、その後遺症と加齢も重なり、4年ほど前、少し様子がおかしいからと病院に連れて行くと、脳に水が溜まっていることが判明し、手術を行いました。
しかし、そのころから少し言葉が出にくくなり体力も落ちてきました。
そこで2年ほど前からは泗水町にある養護施設の「きらら」さんにて暮らしおりました。
「きらら」のスタッフの皆さんにはとても感謝しています。
明るくとても優しい皆さんと、父もゆっくりとのびのびと日々楽しく暮らしておりました。
ただ、昨年末あたりからは、やはり加齢による体力の低下により誤嚥性の肺炎で熱発し、病院で過ごすことも多くなりました。
入院しては回復し、食事もできるようになると退院し、「きらら」さんで暮らす。
と言うことを繰り返していました。
実は、亡くなる前日の4月23日に退院の許可が下り、「きらら」さんに移りました。
昨日(亡くなった当日)は昼食も取り、その後、自分の部屋で何か読み物をしていたようです。
しばらくしてスタッフの方が声をかけると反応がなかったとのことです。
すでに心肺停止となっており、すぐに救急車を呼び蘇生を行いながら搬送されました。
「きらら」のスタッフの皆さん、救急隊員の皆さん、搬送先の病院の皆さんによる、懸命な蘇生処置もかなわず、父は息を吹き返すことはなかったようです。
ちょうどそのころ、私の弟の哲郎が父の所へ向かっていて、そこに「きらら」さんから「お父様を救急車で搬送します。現在、呼吸もなく心臓も動いていません!」と言う連絡がありました。
弟はすぐに私にも連絡をくれ、私も菊池水源の山奥から下りて、途中母を乗せて、搬送先の病院へと急ぎました。
その際に、山を下りるカーブを何度もまがりながら、
「どれくらいの時間がかかるんだろう?距離はどれくらいかな?」などと考えながら運転をしていると、幼いころの父との記憶が鮮明によみがえってきました。
小学校に上がったかどうかの頃の私が父に尋ねました
「お父さん!1kmってどれくらい?」
すると父は、「よし!なら車に乗れ!」と言って、車の走行メーターをリセットし走り出しました。
「家から車で走って1kmのところを教える!」と言うわけです。
自宅から西へ進み北原の交差点あたりで、
「ちょうどここが1kmだぞ!」と言うとその先で引き返し自宅へと戻りました。
次に父と私、今度はそれぞれ自転車に乗り、その地点まで行きました。
自転車の運転がまだおぼつかない私を、父は気遣いながら何度も何度も振り向き走ってくれたことを覚えています。
最後に「同じとこを歩いてみるぞ!」と言って、父は私の手を引き1km地点まで歩きました。
その時、いろんなことを教えてくれました。
ものの単位、ものの数え方などなどです。
その中でも「1日はいつ始まるのか?」と言う話では、まだ幼かったころの私は自分が起きる7時くらいだと思っていて、夜中の12時から始まると言うことをその時初めて知り、すごく衝撃だったことを強く覚えています。
そんな、我が子にももちろん教え子の皆さんにも、すごく教育熱心だった父が、私に最後に教えてくれたことは、「人はいつか必ず死ぬ!」と言うことだったのかもしれません。
そんな父と私は1つだけ大きな約束をしていました。
私が大学を卒業する際に、卒業旅行でアメリカを1ヶ月ほど友人と二人で旅する際の出国前日のことです。
父は私を呼び、そこに座れと命じこう話しました。
「せっかく行ってくるのなら、しっかり楽しんでこい!いろんなものを見てこい!多くの方と話してこい!そしてたくさんのものを感じてこい!」
「どうせ、お前のことだから、俺が「どんなに無茶はするな!」と言っても聞かないだろう!」
「ただ、これだけは絶対に約束しろ!!必ず生きて帰ってこい!どんなことがあろうが親である俺より先に死ぬことだけは絶対に許さん!」
私と父は、その時そう約束をしました。
昨日、動かなくなった父を見て、本日、火葬を終えた父を見て、私はその時の約束を思い出し、
「これで、父との約束を果たせた!!」と思いました。
父はまじめで、几帳面で、曲がったことが嫌いで、芯の強い人でした。
そのまじめさは、若かりし頃の私とたびたび衝突することがありましたが、今ではとても尊敬し、誇りに思い、偉大な父であった強く感じています。
そんな父が大変お世話になったみなさまにこうして本日ご会葬いただき、お見送りいただきましたこと、父も大変喜んでいることだと思います。
残る遺族一同にも、父同様のご厚情を賜りますことをお願いして、挨拶とかえさせていただきたく思います。
とりわけ、今は気丈に振舞っている母ですが、間違いなく力を落とすことだと思います。
特に、母をどうかどうかみなさんで力づけてください。
よろしく、よろしくお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました。
以上が、私がお通夜と告別式で挨拶した話です。
この2日間、たくさんの方々にご協力いただき、会社の業務は滞ることなく行えたことを感謝しています。
出荷や配送業務、烏骨鶏たちへのエサやりなどなどをしてくれた弊社スタッフ。
そして、
私が不在することに、出荷業務などをご協力いただいた各農家の皆さん。
本当にありがとうございました。
父は、私が現在行っている、自らも農業を営み育てた作物や、契約農家さんのたちの作る“本物”と呼べる作物の販売の、この仕事を大変応援してくれていました。
ですから、私は明日からまた全力で頑張っていくことを、父との新たな約束としたいと思っています。
今後とも、株式会社旬援隊(FLCパートナーズストア)をなにとぞよろしくお願い申し上げ、本日のブログとさせていただきます。
株式会社旬援隊
代表取締役 笠泰紀
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