FLC日記 2019年2月7日(木) くもりのち雨
「原木しいたけは、自然に最も近い栽培方法たいね。だけん、伐採や今日の玉切り、コマ打ち、仮伏せや本伏せ、そしてボタ起こしなどなど、ベストのタイミングですることが大切になるとたい。かなり手間ひまのいる栽培方法ばってん、安全で美味しいしいたけば食べてもらいたかけんしっかり頑張るばい!」
匠の農家さん「小春農園」代表の小原正宏さんが、笑顔でそう話してくれました。
熊本県山鹿市鹿北町にある、「小春農園」さんの『原木しいたけ』の原木とするためのクヌギの伐採現場です。
昨年11月に伐採したクヌギを“葉枯らし”と言って、乾燥させていました。
その倒したクヌギを、『原木しいたけ』の栽培用に、同じ長さに切りそろえる作業、それが先日現地取材をしてきた“玉切り”です。
この原木にしいたけ菌のコマを打ち込みシイタケを栽培します。
『原木しいたけ』とは、主にクヌギやナラの木を原木とし、そこにしいたけの菌(コマ)を打ち込み栽培する方法です。
11月中旬の伐採作業から数え、約2年もの長い年月を要し、しいたけを育てるのです。
たくさんの手間ひまと、労力、長い栽培期間を要するため、現在、日本のしいたけ生産量の約2割にまで減少している大変貴重なしいたけです。
熊本の旬の食材を販売する、ネットショップ「FLCパートナーズストア」では、今期(平成30年度)も、匠の農家さん「小春農園」さんの、清流の里の『原木しいたけ』をネット独占販売しています。
現在は、この冬のあまりの乾燥で、しいたけがあまり発生しておらず、『原木しいたけ(生)』は、出荷調整(売り切れ状態)としています。
『原木しいたけ(乾燥)』は、数量限定で販売中です。
こちらは以前取材した2月中旬の写真です。この頃以降4月位までに発生するしいたけを「春子」と称します。
しいたけは、発生する時期により春子(はるこ)、藤子(ふじこ)、秋子(あきこ)、寒子(かんこ)とも呼んでいます。
春子は、とても良い香りがします。
間もなく、予約販売の受付を再スタートしますので、『原木生しいたけ』のご注文はもう少々お待ちください。
さて、玉切りの現地取材の様子に話を戻しましょう!
「昨日玉切りした原木ば、まずは下の谷まで落とさにゃんとたい。今日はそこから作業ば始めるもんね!」と、小原さん。
小原さんはそう言うと、チェーンソウなどの道具をもって、斜面を登り始めました。
「玉切りは2人1組でした方が効率の良かとは笠さんは知ってるよね。もうすぐうちの奥さんが来るけど、その様子は前の取材の分でフォローしときなっせ!」と小原さん。
こちらが以前取材した“玉切り作業”の様子です。
熊本の“旬”を販売するネットショップ「FLCパートナーズストア」を運営する株式会社旬援隊の代表取締役の私(笠泰紀)は、弊社で販売するすべての作物の、その栽培の様子農家さんの惜しまぬ手間ひまや匠の技を、年間を通して現地取材しこのブログで紹介しています。
「小春農園」さんの『原木しいたけ』の栽培の様子も、もう何年も年間を通して取材してきました。
この日は、小原さんと奥様の美子さん、そして小原さんの息子さんで「小春農園」専務の小原将輝さんとおじいさんの正法さん(写真)とのコンビに分かれて作業を行ていました。
玉切り作業はまず、一定の長さに原木に印をつけるところから始まります。
「小春農園」さんでは、原木を1m5cmの長さに切りそろえます。
赤いチョークを使ってクヌギに印をつけます。
それを追うようにして、このコンビであるなら将輝さんがチェーンソウを使って切断していくのです。
小原さんと奥様の美子さんのコンビも同じように作業を進めていました。
この時は、斜面の原木をウインチを使って引き上げてコマ打ちを行いました。
しかし今年の伐採現場は、斜面の下にコマ打ちを行う場所があります。
そこで今年はこうして下に何度も投げて落としています。
「落とすより引き上げる方が作業的にはやり安かとたいね。」小原さんはそう言いながら作業を進めています。
そうこうしていると、奥様の美子さんがやってきました。
「どうする?まだ切ってないのを印をつけよこうか?」と美子さん。
「昨日切り終わってるとば落としてしまうことからしようかね!」と小原さんが答えていました。
枝を払い、絡まっている蔦を切りながら作業を行っています。
やはり、何度現地取材に伺っても、『原木しいたけ』を育て上げるには多くの手間ひまを要するのです。
小原さんは原木をチェックして惜しまぬ手間ひまをかけています。
ナタを使って枝を落とすのですが、その匠の技は“コマ打ち”の取材の際に詳しく紹介することにします。
現地取材を終えた私は、小原さんのご自宅へと向かいました。
すると専務の小原将輝さんが笑顔で迎えてくれました。
「父たちは玉切りしてたでしょ?私は今日、お休みいただいてるんです。」と将輝さん。
実はこの日、先日誕生した長女と奥様を病院におむかえに行く日でした。
1月31日生まれの女の子有華(ゆうか)ちゃんと奥様のしおりさんです。
将輝さんのこのにやけ顔が、長女誕生と無事退院の嬉しさを物語っていますね(笑)。
玉切りを終えると、コマ打ちを行います。
すぐに仮伏せと言って、平積みにして置いておきます。
その後、6月中旬の本伏せ作業を行い、伐採から2年後の秋に栽培地に移し(ボタ起こし)て、やっと収穫を迎えるのです。
「原木しいたけ」は、無農薬、無化学肥料で栽培されます。
「小春農園」さんの清流の里の『原木しいたけ』は、惜しまぬ手間ひまと、高い栽培技術で、まさに“本物”と呼べる逸品です。
まもなく「春子」が発生し収穫を迎えます。
もちろん「FLCパートナーズストア」で販売を再開する予定です。
これからも、『原木しいたけ』の栽培や育つ様子など現地取材にて紹介します。
お楽しみに!!
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
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