FLC日記 2017年12月18日(月) くもり
「必要な枝、不要な枝を見極めて剪定すると共に、残す枝に梨の果実が実る姿を想像しながきちんと誘引してあげることが大事たいね。もちろん、来年のことだけではなくて、2年先、3年先を見据えて、“待ち枝”も作っていかんといかんたいね。」
「本藤果樹園」代表の本藤猪一郎さんが、そう言いながら手際よく剪定と誘引作業を行っていました。
ここは、熊本県菊池市戸豊水(とりうず)にある、こだわりの『樹上完熟梨』を生産する、「本藤果樹園」さんの梨園です。
冬の剪定作業の様子を現地取材に伺いました。
こちらは、以前取材した7月中旬の写真で、最終摘果を行っている頃の様子です。
「本藤果樹園」さんは、数ヵ所の梨園を所有していて、ここでは主に熊本限定栽培品種の梨『秋麗』を栽培しています。
最終摘果作業を行う「本藤果樹園」園主の本藤猪一郎さんです。
熊本の旬を販売する、ネットショップ「FLCパートナーズストア」を運営する株式会社旬援隊の代表取締役の私(笠泰紀)は、弊社で販売するすべての作物の、その栽培の様子農家さんの惜しまぬ手間ひまや匠の技を、年間を通して現地取材しこのブログで紹介しています。
もちろん「本藤果樹園」さんの『樹上完熟梨』の栽培の様子も、こうしてもう何年も年間を通して現地取材してきました。
こちらは,4月上旬の咲き誇る『秋麗』の花の様子です。
『秋麗』は、2003年に、品種登録された梨で、熊本のブランド梨として、県をあげて推し進めている梨です。
酸味のない濃厚な甘さと、芳醇な香り、さらにはサクッとした触感が大人気です。
冬の剪定作業に話を戻しましょう!
「そんなに大きな枝を曲げても折れないんですか?」と尋ねると、
「折れんように先に手ばかけとるとたいね。それに、梨はとても強くて極端な話、枝の皮が少し残ってたら大丈夫って言うとたい。」と猪一郎さん。
「手をかけるってどうするんですか?」と再度尋ねる私に、
「枝の根元ば見てごらん!剪定ばさみで、縦に切り込みば入れとるけん、おそらくこれはおれずに上手く曲がるばい。」v猪一郎さんはそう言いながら、その太い枝をギューっと曲げました。
するとすかさず、梨園内に張り巡らしているワイヤーにひもで結び付け誘引します。
「ここには、結果枝がないけん、少し強引にでも誘引してこの枝に実らせるわけたいね。」
「本藤果樹園」さんでは、誘引を麻のひもを使って行います。
その誘引を解くとき、そのまま切り離しても地面に落ちても良く、腐れば有機肥料となります。
プラスチックの器具を使う農家さんも多いのですが、こだわりの地球にやさしい農業を行っています。
「花芽のつぼみも良い感じに丸く膨らんでますね!」と言うと、
「まぁ、春まではあまり膨らまず、ほぼこの状態のままで冬を超えるけどね。ただ、今の段階で明らかに不要な新芽は摘み落としておくとたい。」と猪一郎さん。
「どんなのが不要な芽かを教えてください!」と言うと、
「例えば、これたいね。誘引したら、ちょうど真下に向かって伸びるようになってしまってるでしょ?」
「もちろん、この芽にも花は咲くとたい。ばってんね、良か果実ができるかと言うと、そうじゃないとたいね。もし実らせてもおそらく途中で落果するけん、この段階で不要だと判断するとこうして落として、果樹に無駄な体力を使わせんようにすることも大事たいね。」
「さっきは、ちょっと太めの枝を誘引したばってん、普通はこれくらいのサイズの枝たいね。基本的には今の流れをずっと繰り返していくとたい。」
この惜しまぬ手間ひまが、あの“本物”と呼べるこだわりの『樹上完熟梨』を育てるのです。
「あら?ここは網の破けとるけん、来年は修復せんといかんね。」
猪一郎さんは、果樹園全体を覆い野鳥から果実を守る網を押し上げながらそう言いました。
こうして、この道具を使い網を押し上げて固定して、その間に網からはみ出していた誘引する枝を曲げるのです。
「来年実らせる枝はこうして誘引するけど、先々を見据えた“待ち枝”も作っていかにゃんたいね。」と猪子一郎さん。
「その話、できればタオルを外して聞かせて下さいよ!この時期の取材はいつも、目元しかわからない覆面レスラーか、昔の過激派みたいな写真ばかりですよ!」と言うと、
「ハハハッ!頑張って作業している様子だけん、そのままでも良かばってんね!」
猪一郎さんは、笑いながらそう言ってタオルを外してくれました。
さて、“待ち枝”について、詳しく紹介したいところですが、本日は少々長くなりましたので、この続きは明日のブログで紹介します。
「FLCパートナーズストア」では、来年(平成30年度)も「本藤果樹園」さんのこだわりの『樹上完熟の熊本梨』をネット販売いたします。
来年も7月下旬の『幸水』からスタートし、『豊水』、『秋麗』、そしてジャンボ梨『新高』と続きます。
これからも、さらに続く選定作業や、芽吹きから花咲く様子、着果から摘果作業も含め、梨たちの成長の姿や、惜しまぬ手間ひまや匠の技を、現地取材にてご紹介します。
まずは明日の“待ち枝”の紹介です。
お見逃しなく!
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
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