2016年1月10日(日) くもり

熊本県菊池市戸豊水(とりうず)にある、こだわりの『樹上完熟梨』を生産する、「本藤果樹園」さんの梨園に伺いました。
ここは、主に熊本限定栽培品種の『秋麗(しゅうれい)』の栽培場です。


『秋麗』は、2003年に、品種登録された梨で、熊本のブランド梨として、県をあげて推し進めている梨です。
『秋麗』は、「幸水」と「筑水」を交雑させ生まれた青梨です。

見た目は、決して美しい梨とは言えませんが、それは青梨の特徴です。
しかし、ひとたび口にすると、酸味のない濃厚な甘さと、芳醇な香り、さらにはサクッとした触感が、もはや梨を超えた梨とまで言われる美味しさです。

「本藤果樹園」さんでは、この広い広い梨園で、『秋麗』を育てています。
とても1枚の写真では収まりきれない広さです。
この時期、ナシ栽培には欠かすことのできない大切な作業の“冬の剪定”をする「本藤果樹園」の本藤猪一郎さんにお話をうかがいました。

「こんにちは!今年も選定作業が始まりましたね!毎年取材に来てますが、猪一郎さんはこの時期はタオルを巻いたマスクマンのような姿ばかりになっちゃいますね!」と言うと、

「ハハハっ!ホントそうやね!!まぁ、ノコくずや誘引用の麻ひものくずを吸い込まんようにしとるとばってん、がまだしよる(熊本弁:仕事を頑張っている)と言うことで、そのままで良かばい!(笑)」とのことでした。

猪一郎さんは、のこで太い枝を切り始めました。
「そんなに太い枝も落とすのですか?」と尋ねると、
「切り落としはせんよ。まぁ、見よきなっせ!!」とのこと。

「よし!これで良か!!」
そう言った猪一郎さんの手元を見ると、あの太い枝が大きく切り込まれていました。
「主枝の上の部分から伸びとるけん、ほおっておいたら太くなりすぎるけん、こうして調整しよるとたい。」

切り口をしっかり見てみると、たったこれだけしか枝が残っていません。
「梨の果樹はホント強かとたいね。だけん、これくらいしか残さんでもしっかり生きていくとたい。」

「ここの『秋麗』の場合は、地面から伸びた主幹から2本の主枝を伸ばして、そこから亜主枝を伸ばすわけたいね。でも、主枝の上の方がよく栄養が流れるけん、上から伸びた亜主枝は太くなりすぎるとたい。」

「だけん、それらはああやって切り込みを入れて、あまり太くなりすぎないように調整するのもこの剪定作業の大事な仕事の一つやね。ちょうどそこ!右側!!昨年切った部分がつながっとるのがわかるね?」

「それは、縦に切り込みを入れてひねっとるとたい。その枝ぶりを見て、切り込んだり、ひねったりしながら亜主枝のバランスをとって育てていかにゃんけん、難しいし面白かよね!」
突然伺った取材にも限らず、匠の技を思う存分見せていただきました。

剪定作業と同時に、枝の誘引作業も行われています。
梨園内に張り巡らされたワイヤーに枝をくくりつけるのです。
このように、亜主枝を平行に伸ばすことで、全体にまんべんなく日が当たるように樹形を整えます。

「昨年は、8月に熊本県に上陸した台風15号で、思うような収穫ができんだったけんね・・・。その分、今年は樹勢もしっかりしとるけん、俺がピシャッと手ばかけて育てれば、良かなしのでくっと思うよ。」

「剪定と誘引が終わったら、摘蕾、摘花、1時摘果、2時摘果、そして7月下旬からは最初の「幸水(こうすい)」の収穫と、まぁ、休みはほとんどとれんばってん、お客さんの「美味しかぁ!」と言ってくれる笑顔ば思い浮かべると頑張ろうって思うたいね!」
猪一郎さんは、そう言いながら、とても手際よく作業を進めていました。

元気な花芽がしっかりと膨らんできていました。
梨の花の開花は、毎年3月下旬です。
収穫までノンストップで惜しみない手作業が続きます。

「FLCパートナーズストア」では、今年も「本藤果樹園」さんの『樹上完熟の熊本梨』をネット販売いたします。
こだわりの樹上完熟の梨はみずみずしさが違いますよ!!
今年も7月下旬の『幸水』からスタートし、『豊水』、『秋麗』、ジャンボ梨『新高』と続きます。
これからも、花咲く様子も含め、梨たちの成長の姿や、惜しまぬ手間ひまや匠の技を、現地取材にてご紹介します。
お楽しみに!!
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
ホームページはこちら
『FLC日記』は「にほんブログ村」のランキングサイトに参加してます。
下のバナーをクリックして、ランキングアップにぜひご協力下さい。
よろしくお願いします。
