FLC日記 2015年9月29日(火) 晴れ
「水耕栽培は、水を循環させながら作物を育てるので、その徹底管理がとても重要なんです。とりわけ、夏場は病気が入りやすいので、細心の注意を払って栽培してるんですよ。温度管理をきちんと行えば、1年中新鮮な葉物野菜が収穫できるんです。」
熊本県菊池市で、ハウスでの葉物野菜の水耕栽培に取り組んでいる鍬田美智子さんが、そう話しながらハウスの中を案内してくれました。
こちらは、まさに収穫を迎えている『サラダレタス』です。
みずみずしく、葉がしっかりとしています。
もちろん、ここで現在も育っているのですから、新鮮そのものです!
水耕栽培とは、土を一切使用せずに、水に肥料の3大要素の窒素、リン酸、カリウムと、微量要素を計算し配合して、希釈して与えながら栽培する農法です。
主に、葉物野菜が栽培され、鍬田さんは『ほうれん草』、『サラダレタス』、『水菜』を育てています。
この、土のない畑(ハウス)で栽培するのですが、かなりの技術と徹底管理が必要とされます。
こちらが生産農家の鍬田美智子さんです。
「以前、笠さんが来られたのは3年位前だったかしら・・・。あのころに比べたら、ずいぶんとうまく育てることができるようになりましたよ。」と鍬田さん。
「今日は、一緒に水耕栽培をしている次男に加え、大学生の長男も夏休みで帰ってきてるので、一緒に手伝ってくれてるんです。ほら!あそこで頑張っているでしょ!!」
鍬田さんが指で示してくれた先には、とてもさわやかな2人の好青年が、黙々と何かの作業をしていました。
どうやら、収穫を終えたベッド(栽培する場所)を洗浄し、次の栽培の準備をしているようです。
こちらは、長男の真志(まさし)さん。
学部は違えど、なんと私の大学の後輩でした!
「夏休みに帰省して、こき使われてるんですよ!(笑)」
そう言いながらも、とても丁寧な仕事ぶりです。
一方、こちらは、次男の智宏(ともひろ)さん。
現在、鍬田さんとともにこの水耕栽培に取り組んでいます。
カメラを向けると逃げるので、まずは後ろ姿ですが、後程その素敵な笑顔は紹介しますね!
発芽間もない『ほうれん草』です。
「水と、それらの栄養素だけで育つんですよね・・・。」と言うと、
「水と栄養素、それに空気が必要ですよ。」と鍬田さん。
「空気?それは普通にあるんじゃないですか?」と尋ねると、
「植物は根っこからも酸素を吸っているんですよ。最初プールした水を循環させるだけでは、すぐに酸素がなくなるので、水に空気を送り込んでいるんです。」
植物は、根っこからも酸素を取り込むので、畑の土もふかふかに耕運して栽培するのと同じです。
これは、発気用の設備です。
水に空気を送り込む設備ですね。わかりやすく言うと、金魚の水槽のブクブク見たいなものです。
植物は根っこからも空気を吸収しますので、水の中に空気(酸素)が無いと植物は育ちません。
通常、土の中では十分に酸素があり、根っこからも吸収しているのです。
この設備で、空気を含んだ元気に育つ水を循環させることができるのです。
『ほうれん草』は18~20度が栽培の適温とされています。
25度を超えるとどうしても、カビや土壌細菌が入り込んでくるのです。
できる限り殺菌剤などの消毒をせずに栽培してるので、水を循環させている以上、それらが入り込むと、このベッドの分はほぼ壊滅状態になります。
ハウスで水耕栽培で育てていても、やはり植物です。
工業製品のように確実に出来上がるというわけにはいかないのが現状ですね。
では、その栽培方法を簡単にご紹介します。
こちらが、播種(種まき)をするシートです。
ここにそれぞれの作物の種を蒔き、栽培していきます。
網目の部分から根が伸び、水や栄養素、そして空気を吸収するのです。
発砲スチロールの土台に、そのシートをセットして水に浮かべ、種をまくのです。
これは、試しにしていただいたので、まだ水はありません。
実際、栽培している『サラダレタス』の発布スチロールの土台は、水の上にプカプカと浮いていました。
なんだか不思議な光景です。
種は、私も植えた(栽培した)ことのある種と同じものでした。
シートにパラパラっと蒔き、発芽したら間引きをして一定量の苗を栽培します。
とにかく、病気やカビなどを入れないことが最重要課題です。
ですから、収穫を終えたベッドは、とことん洗浄します。
栽培の過程で入った可能性がある病気やカビを残さないようにきれいにします。
こちらでは、『水菜』が元気に育っていました。
サラダでも、これからの季節のお鍋にも良いですよね!
『水菜』は私も大好きな野菜の一つなので、収穫が待ち遠しくてなりませんでした。
鍬田さんは、この連棟建ての広い広いハウスで水耕栽培を行っています。
それらの作物を、安定供給ができるよう頑張っています。
『サラダレタス』は、年間を通しての出荷が可能とのことでした。
「年間を通して、葉物野菜が提供できると、うちのネットショップ「FLCパートナーズストア」のお客様にとっても大変うれしいことなので、ぜひ弊社でも販売させてください!」
そう、しっかりとお願いしてきました。
仲良し親子が大切に育てる水耕栽培の葉物野菜たちは、とても優しい味がするように思えました。
3人のこの笑顔も、きっと野菜たちを元気に育だててくれることでしょう!!
「FLCパートナーズストア」では、鍬田さんの水耕栽培『ほうれん草』、『サラダレタス』、『水菜』をネット独占販売に向け全力準備中です。
これからも、現地取材で惜しまぬ手間ひまやその成長の様子、収穫や出荷などご紹介していきます。
お楽しみに!!
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
ホームページはこちら
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