FLC日記 2015年9月12日(土) 晴れ時々曇り
「マスクメロンの苗の、12~13節目あたりの花に交配作業をして着果させるとたい。ばってんね!どこがベストかは、実はメロンの果樹がちゃんと教えてくれるとたい。その秘密ば教えようかね!!」
「島村温室」代表の島村紀彦さんが、そう言いながら、筆を使って交配作業をしていました。
「島村温室」さんの高級マスクメロン『アールスメロン』は、糖度が15度を超える最高級のメロンです。
その名も『きになるメロン』!
メロンの苗を縦に誘引しまるで“木”で育つかのようにして栽培した『アールスメロン』です。
ここは、熊本市北区植木町荻迫にある、「島村温室」さんの高級マスクメロン『アールスメロン』の栽培ハウスです。
縦方向に勢いよく伸びたメロンの苗たちが、元気に育っています。
このハウスは、“奇跡のハウス”と言われています。
8月25日に熊本県に上陸した台風15号で、植木地区のメロン栽培ハウスは、ほぼ壊滅状態となりました。
その様子は以前のブログでご紹介しています。
詳しく知りたい方は、下記をクリックしてご覧ください。
↓ FLC日記 2015年9月6日(日) ↓
マスクメロン「アールスメロン」
台風15号直撃で大被害!残ったハウスで至高のメロンを育てる匠!! もちろん、少なからず影響を受けたものの、そんな中、奇跡的にこの4棟のハウスが残りました。
台風一過の直後から、破損個所の修復と苗たちを元気づかせる作業を施し、10月下旬の収穫へ向け栽培しています。
「島村温室」代表の島村紀彦さんです。
「一見、すごく元気に育っているように見えるでしょ?でも、台風でハウスのビニールも破損して、苗たちが風ですごく揺れていた訳たいね。そうなると、どうしても葉っぱや茎が傷つくとたい。傷がつくと病気になりやすいけん、それらの葉っぱや茎は必ず見つけて取り除かんといかんとたいね。」
「例えば、こういうのたい!葉っぱが揺れたことで傷がつき、そこは病気にもなりやすくなるとたい。これを放っておくと、どんどん広がって、いずれはハウス全部がダメになるとたいね。」
「これもそう!こうして茎が痛んどるとは、パッと見るだけじゃ絶対にわからんけんね。」
「なぜそれが痛んでいると分かったのですか?」と尋ねると、
「葉っぱが若干おかしかねぇ・・・?って思ったけん、しっかり見てみたとたい。するとやっぱりこうなっとったとたいね。台風でビニールが破けるでしょ!すると風が入るたいね。」
「すると、外から風が入り病気や害虫をハウス内に入れてしまう可能性があるとたい。葉っぱや茎が風で揺れてこすれて傷ついたとこから、どぎゃんしたって病気が発生しやすくなるとたい。」
「台風が過ぎたら急いで破れたビニールを修復して、すぐに消毒ばしたとたい。本当に良いものを作ろうと思ったら、最低限の消毒はせんといかんとよ。消毒て言うと嫌がる人もおるかもしれんばってん、要は、病気を出す前の“予防”たいね。俺たち人間がインフルエンザの予防接種をするのと一緒たい。」
「この紫色のひもは何ですか?」と尋ねると、
「それは、まだ交配(受精9が終わっとらんと言う記したい。今、お袋が見て廻りながらそればつけよっとたいね。」
ハウスの奥を見ると、嶋村さんのお母さんが、1本1本の苗を丁寧にチェックしながらその作業をしていました。
徹底した管理が行われているのです。
こうしてハウス内に設置したワイヤーから垂らしたひもで、メロンの苗を巻き付け誘引して縦に伸ばし栽培しています。
そうすることで、花が咲く様子や苗の病気など一目で管理できるようにしています。
この時期すでに、元気な花が咲いていました。
成長が遅くまだ交配ができていない苗がわかるように印をつけていました。
「こっちの赤いひもの印は、さっき見せたような病気になった葉っぱや茎があったものたいね。それらは、しっかりとこの後もケアしていかんといかんし、仮に広がるようであれば、早めに処分するとばい。」
「今のとこ、少し遅れてる苗はあっても、処分せにゃん苗はなかけんホントよかったばい。でも、少しだけしか傷が入っとらんようなのは、まだこれから症状が出てくる可能性があるけん、毎日しっかりと見て回るとたい。」
そう言いながら嶋村さんは、小さな筆を取り出し、何かの作業を始めようとしました。
「メロン栽培において、普通はミツバチをハウスの中に入れて交配させるとたい。ばってん、俺はこの時期あえて単棟のハウスでメロンば作りよるけん、ミツバチに変わって俺自身が1つ1つ交配ばするとたい。」
「こんな感じで花の中央を筆で書きまわすようにしてあげて、それで受精(交配)ができるとたい。交配させるのは大体12~13節目の花ばってん、それは結果論で本当はちゃんとメロンの苗が教えてくれつとたいね・・・。」
交配を終え、着果したメロンの果実は、ピンポン玉より少し大きいくらいにまで成長しているものもありました。
交配をする花の謎や、この時期ならではの匠の技など、ご紹介したいことはまだまだありますが、本日は少々長くなりましたので、この続きは明日のブログで・・・。
台風15号を乗り越えた、高級マスクメロン『アールすメロン』を栽培する奇跡のハウスでは、「島村温室」さんの徹底作業により見事に修復され、こうして元気に成長しています。
これからもその成長の様子や匠の技、徹底作業などなど現地取材でご紹介していきます。
お楽しみに!!
まずは、明日のブログを絶対にお見逃しなく!
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