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甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技

FLC日記 2015年5月24日(日) 晴れ

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_16593218.jpg「今年も元気な新芽が芽吹いてきました。でも、残すのは枝の下から出ている弱い芽なんです。確実に1つ目の節からイチジクの果実を実らせるためです。」
「小春農園」の小原将輝さんが、少し照れながらそうお話しいただきました。
5月上旬、「小春農園」さんの、山あいの『甘熟いちじく』の栽培ハウスに現地取材に伺いました。
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甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_1765895.jpg「FLCパートナーズストア」では、今年も「小春農園」さんの山あいの『甘熟いちじく』をネット独占販売いたします。
“完熟”ならぬ“甘熟”にこだわった甘さが大人気です。

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_17104495.jpgここは、熊本県山鹿市鹿北町にある、「小春農園」さんのやまあいの『甘熟いちじく』の栽培ハウスです。
ハウスと言えども、あくまで雨風からイチジクの果樹や果実を守るためのもので、屋根を目的としたハウスです。

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_17142815.jpg4月下旬から5月上旬にかけて、いちじくは新しい芽が芽吹いてきます。
冬の剪定と、この時期までの徹底管理で、今年も青々とした元気な新芽が芽吹いてきました。

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_1718554.jpg「小春農園」さんでは、「一文字整枝法」と言う栽培方法で『甘熟いちじく』を育てています。
1本の果樹から両サイドに主幹を伸ばし、それを1列になるよう仕立てて管理する栽培方法です。
また、果樹の下草をあえて伸ばしながら栽培する“草生栽培”と言う方法で育てています。

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_17252267.jpg下草を伸ばしながら育てることで、病気や害虫が来ても、その雑草にとどまるため、果樹につきにくくする栽培方法です。
下草は、時期をみて手作業で刈り、そのまま有機肥料にします。
もちろん除草剤なんて一切使用しません。

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_17314019.jpg「この時期に行う、“芽カギ”作業のために、先日草を手でむしりながらとったんです。でも、もうちらほらと伸びてきてますけどね!」と将輝さん。
「芽カギのコツと言いますか、やり方を教えて頂いて良いですか?」と言うと、
「一言で言うと、枝の先端の弱い芽を残すんです!」
弱い芽を残すとは、なんだか不思議な感じがします。

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_17363753.jpg「主幹から出ているこの母枝に、1本だけ結果枝を伸ばすんです。母枝の先端にあって、下から伸びる弱い芽を残します。弱い芽とは、母枝の下から芽吹いた芽のことです。」

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_1741819.jpg「残すのはこの1本だけですね!」
「え?ではそれ以外は全て取っちゃうんですか?」と尋ねると、
「そうですね!これ以外は全て不要な芽なので芽カギします。」

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_1744440.jpg将輝さんは躊躇することなく、慣れた手つきで次々と不要な新芽をかいでいきました。
「植物の栄養は、幹の上の方を通りやすいんです。ですから上から芽吹いた新芽は、たくさんの栄養でぐんぐん伸びるんです。すると、枝が伸びることがメインとなり、いちじくの果実が実るのが遅くなるんです。」
「でも、栄養があまり通らない下からの枝で大丈夫なんですか?」と尋ねると、

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_1749339.jpg「そうですよね!だから、この母枝に対して1本だけを残し、全力をその枝に注がせるんです。すると、弱い枝なのできちんと1番下から果実が実り、この母枝の分の全ての栄養を使うので、大きくて甘いいちじくの果実になるんです。」と将輝さん。

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_17544989.jpgこれは8月上旬の写真です。
芽吹いた新芽が成長し、葉っぱごとに果実を実らせています。
将輝さんがお話しされたように、一番下の最初の葉っぱのところから確実にいちじくが実っています。

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_1805817.jpg「でも、すべて同じ作業で進めるわけではないんですよね!たとえばこれ!!この場合、上から芽吹いているこの芽を残すんです!」
「そんなことしたら、どんどん伸びて着果が遅くなるんじゃないですか?」と尋ねると、

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_1832032.jpg「それがこの場合大丈夫なんですよ。ほら!母枝がこんなに小さいじゃないですか?そうなると、そんな枝まで下から芽吹かせると、本当に弱い枝しか伸びずに、良い果実にならないんです。」

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_1861991.jpg確かに隣の母枝の太さと比べると一目瞭然です。
右はきちんとしたの芽を残し、左はあえて上に芽吹いた芽を残しています。
それぞれの母枝を判断しての芽カギ作業はまさに匠の技でした。

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_1881252.jpg「そんな、普段では知ることのできない匠の技があってこそ、毎年高品質のいちじくを作ることができるんですね!」そう言うと、
「ありがとうござます。こんな判断や手間ひまをきちんとブログで紹介して頂いているので、私たちもホントやりがいがありますよ!」と将輝さんは笑顔でお話しいただきました。

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_18163711.jpg「小春農園」さんの『甘熟いちじく』は、樹上でしっかりと完熟したものだけを出荷しています。
イチジクは、傷みが早いので、一般流通されているものは、早めに収穫して発送されますが、それだは本当の甘さにならないんです。
「小春農園」さんでは、「イチジクの本当の美味しさを味わってほしいから!」とこだわりの『甘熟いちじく』なのです。

甘熟いちじく 新芽の芽吹きと弱い芽を残す匠の技_a0254656_18193290.jpg「FLCパートナーズストア」では、今年も「小春農園」さんの『山あいの甘熟いちじく』をネット独占販売いたします。
今年も、8月上旬からの出荷予定です。
樹上完熟にこだわり、朝採り即日発送で全国のお客様にお届けします。
ぜひ、イチジクの本当の美味しさを味わってください!
これからも、取材を続け、その成長の様子や惜しまぬ手間ひま、匠の技をご紹介いたします。
お楽しみに!!

FLCパートナーズストア 笠 泰紀

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by flcps | 2015-05-24 18:21 | 甘熟イチジク | Trackback | Comments(0)
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