FLC日記 2014年12月11日(木) くもりのち雨
「究極の柑橘『せとか』の果実の肥大(果実の成長)は、この時期既に終わりました。ですから、水はほぼ与えません。果実はさらに色付き完着すると、収穫までに『せとか』の果実の特性“退色”がおきるんですが、ここではあまり“退色対策”は考えていないんです。何はともあれ、今年は昨年以上にかなり順調に育ているので安心していて下さい!!」
「小春農園」専務の小原将輝さんが、笑顔でそうお話しいただきました。


熊本県山鹿市鹿北町にある、「小春農園」さんの究極の柑橘『せとか』の栽培ハウスに伺いました。
樹勢をしっかりと保った青々とした葉っぱで、『せとか』の果実は、1玉1玉ひもで吊られて元気に育っていました。

『せとか』は、この世の全ての柑橘類の良いとこどりをしたような、まさに究極の柑橘です。
果実が平均約300g前後と、とても大きいにもかかわらず、皮が薄いため簡単に手で剥け、内皮(じょうのう膜)がとても薄くそのまま食べられます。
もちろん種はありません。
ひとたび口に入れると、そのとろける食感がたまりません。

ご覧ください!!
果肉のつぶつぶがとても柔らかいのです。
それゆえに、「柑橘の大トロ」、「柑橘の女王」、「幻のみかん」、「大人の柑橘」、「柑橘のダイヤモンド」などなど、『せとか』を讃える表現は数知れません!

これは、今年2月上旬の、究極の柑橘『せとか』の収穫時の写真です。
『せとか』は、全ての柑橘の良いとこどりをしたような、究極の柑橘がゆえに、この至高の1玉を育て上げるには、たくさんの労力と惜しまぬ手間ひま、さらにはベストな時期にベストな方法で作業を行う“匠の技術”が必要なのです。
私は、今年度も「小春農園」さんの究極の柑橘『せとか』の成長の様子と惜しまぬ手間ひまを、全て現地にて取材してきました。

11月中旬。
「『せとか』のハウスに、ビニールを張りましたよ!」と将輝さんから連絡を頂き取材に伺いました。
寒さが本格的になるこの時期まで、「小春農園」さんではハウスと言えどもビニールを張らずに、『せとか』にしっかりと寒さを感じさせて育てています。

「随分と色付いてきましたが、他の柑橘類と違って『せとか』は、こうして色付き始めても、さらにもう一回り果実が大きくなるんです。ですから、この時期の水分管理はとても重要ですね!」と、将輝さんがお話しいただきました。

そして、12月上旬。
収穫まで約2ヶ月となったこの時期には、『せとか』の果実の肥大(成長)は止まっています。
果皮もこの3週間ほどで随分と色付いてきました。

「将輝さん!昨年より全体的に一回り果実が大きんじゃないですか?」と尋ねると
「そうですね!果実の成長は止まっているので、これからは、ほとんど水を与えません。ここまでは、とてもいい感じです。でも、こんなに大きくても、皮はビックリするほど薄いんですよ!」と将輝さん。

「ほとんどの柑橘類の花は、4月中旬から5月上旬にかけて咲きますよね。ここで育てている柑橘類で、開花から収穫までが最も早いのが極早生みかんで約5か月、晩生みかんでも8ヶ月です。」

「『デコポン』はもうちょっと遅く、9か月ってとこです。『せとか』は、さらに遅くて10か月もかかるんです。その間、この薄い果皮で美しく育てるためには、かなりの手間ひまと作業、技術が必要なんです。」

「笠さん!これを見て下さい!!柑橘類の栽培で最も厄介なのが、この鋭いトゲです。『せとか』の果皮はとても薄いので、このトゲは美しく育てるための最大の敵なんです!(笑)」

「そこで、うち(小春農園)では、8月の『せとか』の玉吊り(果実のひもつり)作業の際に、果実に触れそうなトゲは全て切り落としてしまうんです。その手間ひまをかけないと、絶対に良いものは作れないんです。」

8月の“玉吊り作業”の様子です。
将輝さんのお母さんの美子さんが中心となって作業を行います。
これからの果実の成長を見越してひもに余裕をもたせ1玉1玉吊っていきます。

果実の成長に伴い、枝が折れることを防ぎ、果実に万遍なく日があたるように、また、果実が枝や葉、他の果実とふれあってキズつかないようにするためです。
その際に、果実のまわりのトゲも剪定して切っていたのです。

そんな惜しまぬ手間ひまをかけ、大切に育ててきた『せとか』は、収穫まで残りの2ヶ月匠の温度管理によって、最高の味に仕上げられます。
「まもなく、ハウスの内側にさらにビニールを張って、温度管理をよりまめにできるようにするんです。」と将輝さん。

「この2か月の間に、強い寒波に襲われたら全てが水の泡ですし、温めすぎる過保護にしてもダメなんです。とにかく日々の温度管理は大切ですね。これから『せとか』は完着(果実に完全に色がのること)しますが、完着=収穫ではないところも、『せとか』栽培の難しいところなんですよね!」

「さらに、厄介なことに、『せとか』特有のせっかく色付いた果実の“退色”がおきるんです。『せとか』栽培農家の多くの方々は、黒いサンテ(ストキング状のもの)を果実にかけて“退色”から守るのですが、ここでは全く行いません。」

「露地での『せとか』栽培では、“退色対策”には、多くの農家さんが悩まされていると思いますが、ここはハウス栽培で、ハウス全体を青い網の膜で覆っていて、さらに2重のハウスのビニールが『せとか』の退色から守ってくれるんです。」と将輝さん。

「そうですか!安心しました。では、残り2ヶ月!匠の技で、今年も最高の『せとか』に仕上げて下さいね!今日の取材で、色付いた『せとか』を見たら、私は昨年のあの『せとか』の美味さを思い出して、完全に口の中が『せとか』の味を求めていますよ!!」と言うと、将輝さんは笑顔で「お任せください」と答えてくれました。

「FLCパートナーズストア」では、今年も「小春農園」さんの究極の柑橘『せとか』をネット独占販売いたします。
2月上旬からの出荷予定です。
ご予約の受付を1月中旬より行う予定です。
これからも、このブログ及び「FLCパートナーズストア」のホームページをお見逃しなく!!
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
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