FLC日記 2014年11月18日(火)くもり時々晴れ
昨日に続き、『砂田のこだわりれんげ米』の、来年(平成27年)の米作りの準備がスタートしたというお話をご紹介します。
本日は、れんげの種まきと転圧作業についてです。
ここは、熊本県菊池市七城町砂田地区にある野中逸雄さんの『砂田のこだわりれんげ米』の田んぼです。
熊本県菊池市七城町は、日本有数の米どころです。
この地で育つ七城米は、東京で行われた料理新聞社のコンテストにおいて、“おいしいお米日本一”に輝きました。
その中でも、砂交じりの独特な土壌の砂田地区の田んぼで育つ『砂田米』は、江戸時代から、美味いお米の代名詞と称賛されているお米です。
“天下第一の米”とされ、将軍家や皇室への献上米としての歴史がある大変おいしいお米です。
その砂田地区で、野中さんはれんげを有機肥料として育てた、『砂田のこだわりれんげ米』を育てています。
野中さんの『砂田のこだわりれんげ米』は、一般流通の無いお米です!!
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それでは、れんげの種まきについてお話しいたします。
砂田の田んぼをきれいに耕運して、れんげの種まきの準備万端です。
土には、稲刈り時に裁断した“稲ワラ”が鋤き込んでありました。
詳しくは、昨日のブログでご紹介していますので、そちらをご覧ください。
砂田米 来年も美味しいお米を育てるために!その1:冬の耕運作業
『砂田のこだわりれんげ米』生産農家の野中逸雄さんです。
朝9時に待ち合わせをして、れんげの種まきの取材をさせて頂きました。
「雨降り前が良かとばってん、毎朝夜露の下りとるけん、今日することにしたとたい。」と野中さん。
これがれんげの種が入った袋です。
野中さんは、毎年れんげの種を購入し、この時期田んぼに蒔いています。
「これがれんげの種ばい!この一つ一つがピシャッと発芽するなら良かとばってん、そうなぁ・・・、7割発芽するなら良か方かな!それも考えてちゃんと蒔いていかにゃんとたい。」
「れんげの種まきは、手作業でするんですか?」と尋ねると、
「ハハハッ!そぎゃんこつしよるなら日の暮れるばい!それに均等にまけんでしょ?これば使ってするとたい。これがなんかわかるね?だいたいは、消毒用の機材たいね。これにれんげば入れて風で飛ばしながら蒔いていくとたい。ここ以外の田んぼもせにゃんけん、さぁ、始めるばい!」
そう言いながら、野中さんはその機材を背中にからいました。
けたたましい音で機材が動いています。
「こっちから順番に行こうかね!」
そう言うと、野中さんはあぜ道を歩きながら、れんげの種を蒔いています。
れんげの種は、とても小さいので蒔いているのを肉眼で確認することはできませんでした。
田んぼを歩いて何往復もしながら、れんげの種を蒔いていきます。
近くまで来ると、私のところまでれんげの種が、ぱちぱちと音をたて洋服に飛んできました。
この砂田地区でも、農家さんによってお米の育て方はそれぞれです。
お隣の田んぼはれんげを撒きません。
これから、牧草用の草をそだて、田植え前に刈り取ります。
野中さんは、コストや手間暇のかかるれんげでお米を育てています。
そうせずとも、美味しいお米の育つこの砂田地区で、なぜれんげにこだわるか?
それは、「自分が食べて美味しいと思えるお米を育てたい!」その一心からです。
この日に蒔いたれんげの種は、年内には発芽し、4月下旬から5月上旬にかけ、こうして一面に咲き誇ります。
しかし、れんげは収穫を目的にして育てるのではありません。
“緑肥”と言って、そのまま田んぼに鋤き込み、有機肥料とするのです。
花が咲き終わる5月の中旬、花も葉も茎も根もすべて田んぼに鋤き込み肥料とし美味しいお米を育てているのです。
「よ~し、これでこの田んぼは終わり、俺んちの裏の田んぼもれんげば蒔いて、その後、転圧ばかけるばってん、それも見て行くね?」と野中さん。
「転圧ってなんですか?」と尋ねると、
「なら、せっかくだけん見ていきなっせ!自作の転圧機ば見せようたい!(笑)」
野中さんちの裏の田んぼに移動し、野中さんはさっそくれんげの種まきを始めました。
「それが、俺が自分で作った転圧機たい。この2枚の田んぼの種まきはすぐ終わるけん、ちょっと待っとって!」
野中さんが自分で作った転圧機です。
古タイヤをつないで作っています。
転圧とは、播種後の種を土に押し付ける作業のことです。
そうすることで、種が土に沈み風で飛ばされず、乾燥にも耐えられるのです。
種まきを終えると、先ほどの転圧機をトラクターで引いて、田んぼを隅々まで進んでいきます。
この作業をするのとしないのでは、発芽率が大きく変わるのだとお話しいただきました。
当然、その作業はこの日最初に種まきをした田んぼにも行いました。
最初、縦横無尽に走っているのかと思いきや、すごく計画的に効率よく転圧作業をしています。
この日の取材の最後に、野中さんはこうお話しいただきました。
「毎年変わらずこの作業ば繰り返してきたたいね!コストもかかる!こうして手間ひまもかかる!ばってん、やっぱうまか米ば食べたかたい!だけん、俺はやっぱり毎年れんげば植えるとたい。」
野中さんは、毎年変わらぬ育て方で、『砂田のこだわりれんげ米』を育てています。
基本的に、自分や家族、友人や知人が食べるために育てているお米で、市場に出回ることはありません。
平成26年度の野中さんの『砂田のこだわりれんげ米』も、冬の様子やれんげの発芽、苗床から田植え、稲の成長、稲刈りにいたるまで、こうしてずっと取材してきました。
だからこそ、こうして自信をもっておススメできるのです。
もちろん、平成27年度の野中さんの『砂田のこだわりれんげ米』作りも、同じように現地取材を重ねていきます。
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FLCパートナーズストア 笠 泰紀
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