FLC日記 2014年7月3日(木) 豪雨
北部九州大水害は、2年前の2012年7月12日の未明から降り続いた、大豪雨によって各地に大きな被害をもたらしました。
株式会社旬援隊がある、熊本県菊池市菊池水源でも、土砂崩れや道路の崩壊、田畑の冠水など、想像を絶する大雨の影響を受けました。
これは、その時に起きた、道路崩壊の様子です。
勢いをつけた土石流が、道路の側面をえぐり、ガードレールもろとも押し流しています。
山の木々をなぎ倒しながら流れた濁流は、会社のすぐ下にある橋のかかった交差点の上を流れていきました。
この時はすでに水がひいていますが、私が早朝見に行った際には、橋の上にもかかわらず、ひざの高さを超えるほどの水が流れていました。
この交差点から先の、会社へ上ってくる唯一の道路は、2ヵ所にあたり樹木が倒れ、覆い重なり通ることができませんでした。
その時は、完全に孤立した状態でした。
この道が、会社に登ってくるための、唯一の道路です。
ここが先ほどの写真のようなことになったのですから、どうしようもありません。
雨が上がるのを待ち、会社より上の山の杉やヒノキを伐採している方たちが協力いただき、何とか通れるようになり、その日のうちに孤立状態から抜け出せたのは幸いでした。
ただ、被害は道路だけではなかったのです・・・。
生活用水のための、井戸とポンプが完全に崩壊しています。
手前に転がっているのがポンプで、井戸にいたっては、どこにあるのかさえ分かりません。
ここは、本来「東屋」と称し、川沿いのバーベキュー場です。
ここには井戸とポンプがあり、その井戸水を使って生活用水としていました。
何とか、東屋は残ったものの、東屋をはさむように手前と奥とに濁流は流れたようです。
水がひくと、倒木が重なるようにして残っていました。
とにかく、この倒木や流木を片付けないと、井戸の復旧どころではありません。
弊社スタッフや近所の川口さん、弊社で契約している農家さん(本藤さん)にもご協力いただきながら、のべ、3日間かかり片付け作業を終えました。
大水害から、12日後やっと井戸の復旧工事がスタートしました。
菊池市はもとより、阿蘇市や熊本市でも被害は甚大で、重機に調達ができなかったからです。
中学時代の後輩の「木野設備」の木野英明社長に無理を言って、何とか重機を用意してもらい、井戸を掘りあげるための土台を整備し、とにかく水道の復旧を急ぐため、この日から連日、井戸の中のものをくみ上げていきます。
水中ポンプで水を抜きながら、木野社長自ら井戸に入り、堆積した泥などをすべて取り出していきます。
真夏と言えども、ここは山奥なので、体の芯まで冷えるような冷たさの水の中での過酷な作業です。
井戸の復旧までには、20日かかりました。
その間私は、静寂を取り戻したこの川で、毎日水浴びです。
シャンプーとボディーソープをもって川に行き、お風呂として利用していました。
飲み水は、近所のお宅から頂き、タンクに入れて持ち帰り使っていました。
そして20日後、井戸の復旧が終わり、待望の水道水が出たのです。
「蛇口をひねれば水が出る」という当たり前の生活が、どれほどありがたいものかを思い知ることができた20日間でした。
その後、あらためて石垣を築き、井戸のまわりをしっかりと補強して、井戸の復旧工事は終了しました。
もちろん、2年たった現在も、この井戸から冷たくて清らかな水を生活用水として利用しています。
北部九州大水害後は、別ルートを利用していましたが、あの崩壊した道路も、昨年4月にはこのように見事に復旧され、スタッフの通勤路として利用しています。
この2年間で、自然の怖さ、水の恐ろしさをあらためて学びました。
これは、3日前の株式会社旬援隊の様子です。
ここより山の上には誰も住んでいないというほどの山奥に、会社はあります。
ですから、敷地内に電柱がありますが、電線はここまでしか伸びていません。
下の交差点からここに登って来るには、この目の前の道しかありません。
これは、本日昼過ぎの写真です。
この時点では随分と落ち着きましたが、今朝からの豪雨で、道路はご覧のようにまるで川のようでした。
もちろん、目の前を流れる川は、濁流となり荒れまくっています。
今日の激しい雨は、2年前を思い出させるほどの勢いでした。
幸い、峠は過ぎ、道路も社屋も井戸も水道も今回は被害が出ることはありませんでした。
私はこのような大自然の中に会社を作り暮らしています。
本日の豪雨を知った方々から、心配してたくさんのメールやお電話を頂きました。
とても心強く、ありがたい気持ちでいっぱいです。
心より感謝申し上げます。
「いやぁ~、よう降ったなぁ・・・。2年前ば思い出したばい・・・。」
近所に住む川口さんが、先ほどそう言って心配して訪ねてきてくれました。
これからも、全国のたくさんのお客様や友人・知人に支えられているという気持ちを忘れることなく、村の方々と協力し合いながら、この豊かな自然の中で暮らしていきます。
自然の怖さを身に染みて感じている私ですが、それ以上に、自然の中で暮らす喜びを感じています。
これからも、この地で“自給自足の生活”を目指しながら、楽しく元気に生きていきたいと思っています。
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
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