FLC日記 2014年3月29日(土) 雨
「果樹は、冬の間に“貯蔵用分”を蓄えて、この春先に花を咲かせるとたいね!俺たちは、きれいな花を咲かせるのが目的じゃなくて、美味しい果実を実らせるために育てよるとだけん、しっかり摘蕾・摘花ばしていかにゃんとたい!」
「鬼塚農園」さんの「桃園」に伺いました。
ピンクの桃の花が咲き誇っています。

ここは、熊本県山鹿市鹿北町多久にある、「鬼塚農園」さんの桃の栽培場です。
大自然に囲まれた、陽のあたる山の平地部分を利用して、3種類の桃を育てています。

「鬼塚農園」さんでは、本日ご紹介する「桃」の他に、香り高きゆず『あっぱれ』を栽培する匠の農家さんです。
「鬼塚農園」さんが育てた柚子は、3月上旬まで販売した、香り高きゆず「訳ありゆず」も含め、全国のお客様より大好評いただいた逸品です。

「鬼塚農園」代表の鬼塚敬治さんと、奥様の紀美代さんの仲良しご夫婦が、桃の摘蕾、摘花作業をしています。
「笠さん!実はね、桃の栽培は昨年でやめようと思いよったとたい・・・。」

「だけん、再度のネットはまだ残しとったけど、上のネットは下ろしてしまったとたいね。ばってん、どこで聞きつけたか、うちの桃のファンの方が多くて、「どうしてもまた育ててほしい!」って言われてね、それならもう1年頑張ろうか!って思いよるとたい。」

この日は、春休みで学校がお休みのお孫さんも手伝いに来ていて、手際よく桃の摘蕾、摘花作業が行われていました。
「基本的に、上向きで咲く花は、桃を育てるためにはいらんとたいね!」と鬼塚さん。

「上向きの花はいらないってどういうことですか?」と尋ねる私に、紀美代さんが、摘蕾作業を見せてくれました。
「この枝にもたくさん蕾があるでしょ?でも、ここに実らせるのはせいぜい1個くらいなのよ!」

「上向きの花は、果実が成長する時に折れちゃうからいらないのよね!だからこうして、枝の上にある蕾も花も全部取っちゃうのよ!」
そう言うと、芽吹いたばかりの蕾をどんどん落としていきました。

上向きの蕾は一気になくなりました。
「俺たちは、花を咲かせるのじゃなくて、美味しい果実をつくるために育てよるとだけん、果樹に不要な蕾を残して、体力を使わせたくないとたい!」と鬼塚さん。

「ただ、絶対に枝(葉)芽を落とさないこと!!それまで落としたら、絶対に美味しい桃はできんけんね。先端は花を咲かさせずに、枝芽を残して、その枝が茂ることで、養分がしっかり果実に行くとたい!」
ピンと来ていない私に、鬼塚さんが実践してくれました。

「本来は、花の蕾と蕾の間から新芽が芽吹くとたいね!それを残しつつ、蕾を落としていくとたい。この場合は、少し先を剪定してしっかり芽吹かせんといかんとたい。」

「剪定もピシャッとしてやらんといかんたいね!たとえばここで切ったとすると、蕾と蕾の間の芽は、下向きに出てこうとしよるとたい。これじゃだめなんよね!」

「だけん本当は、ここで切って上がるとたい。新芽が上向きに出よるとがわかるやろ?子の芽が、要はポンプの役目をして、養分をしっかり吸い上げてくれるとたいね!」

「そして、その先端には実らせないとだけん、不要な蕾も花も落としてしまって、今残っている蕾あたりに桃の果実を実らせるとたいね!これを、全部の枝に対して行っていくわけよ!」

「摘蕾・摘花の作業自体は、そう難しくなく、孫でもできるほどの簡単な作業ばってん、これば全部にしていかにゃんとだけん、なかなか根気のいる大変な作業ばい!(笑)」

「ところで鬼塚さん!どうして今年で桃作りをやめるんですか?」と尋ねると、
「ここで、20年以上桃ば育ててきたとたい。俺たちと一緒で、この子たちもやっぱり随分年取ってきてねぇ・・・。それは、植え替えたり、新しい枝を伸ばして若返らせると良かとばってん、とにかく収穫の時の天気に左右され過ぎるとたい!」

「今年も、こぎゃん元気な花の咲くごつ、肥料も与え育ててきたばってん、収穫の時に、雨が続くと俺が納得いく桃の味にならんとたい!とにかく、桃は最終最後の出荷の時の天気で、味のごろっと違うけん、難しかとよ!!」
「では、収穫時に天気が続けば美味しい桃が今年もできるってことですよね!」と言うと、

「ハハハ!そうよな!!だけん、そうなることを願って、今年もしっかり育てていこうと思いよるたい!」
「では、私も「FLCパートナーズストア」で、販売させて頂いても良いですか?」と尋ねると、

「納得できる桃のでくんなら世かばってん・・・。」そう言う鬼塚さんに、
「それなら、予約を頂戴していて、鬼塚さんが納得できる桃が採れたときに出荷するのならいかがですか?」と言うと、

紀美代さんが、「せっかくそう言ってくれてるし、そうしましょうよ!その方が私もやりがいがあるをわ!」と言われ、
「そうね!せっかくだけん美味しか桃ば作って、また喜んでもらおうかね!」と笑顔でお返事いただきました。
鬼塚さんは、少し謙遜しながらそうお話しされましたが、直売所では、「鬼塚さんの桃が出とるけん、他の桃は売れんばい!」と絶賛されるほどの美味しい桃なのです。

まだ、桃の花が咲いたばかりですが、「FLCパートナーズストア」で、「鬼塚農園」さんの桃の販売をさせて頂くことに致しました。
最終的には、私も試食し、鬼塚さんの匠の判断での出荷という条件付きではありますが、昨年食べて本当に美味しいと思える桃でしたので、自信をもっておススメしたいと思います。
これかもら、その成長の様子などは、また取材してこのブログでご紹介していきます。
お楽しみに!!
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
ホームページはこちら

『FLC日記』は「にほんブログ村」のランキングサイトに参加してます。
下のバナーをクリックして、ランキングアップにぜひご協力下さい。
よろしくお願いします。
スーパー・青果店情報をチェック!
