FLC日記 2013年10月18日(金) くもり
「落葉樹のぶどうは、こうしてまだ葉っぱの残っとって、果樹が動きよるこの時期に、しっかりとお礼肥え(元肥)ばして、幹に貯蔵養分を十分に蓄えさせにゃんとたい!もう、来年のぶどうつくりは始まっとるとばい!!」

熊本県山鹿市久原の「社方園(しゃかたえん)」さんのぶどう園に伺いました。「社方園」さんは、『熊本産高級種なしぶどう』を生産する匠の農家さんです。

「社方園」さんでは、20種類以上の種なしぶどうを生産しています。
なんと、毎年7月7日に販売をスタートします。来年のぶどう作りはもうすでにスタートしています。
こちらは、3色詰めの2kg詰め合わせ (400g×5房)です。
人気ナンバーワンの商品で、3色の味の食べ比べもさることながら、その1粒1粒の大きさ!みずみずしさ!そして何よりその甘さは、まさに“本物”と呼べる美味しさです!!
本日は、その“本物”の美味さを育て上げるための1つの作業、お礼肥え(元肥)をする作業の取材日記です。

この時期、「社方園」さんのブドウ畑はハウスのビニールをこうして上に巻き上げています。
この時期、寒さから守るのではなく、ぶどうの果樹たちにあえて寒さを実感させています。

「社方園」園主の社方武路さんと、お父様で、初代園主の社方義武さんが、堆肥をぶどう園にまいています。
この時期、有機肥料の堆肥をふんだんに与え、しっかりと樹勢を保ち、幹に貯蔵養分を蓄えさせるのです。
堆肥は、1年間寝かせて発酵させたものを使います。武路さんの友人の農家さんと契約をして準備しているとのことでした。

「笠さん、あの黄色いものは“米ぬか”ですよ!これも私の友人にお願いしているんです。堆肥に米ぬかをまぜて与えているんです。」と武路さん。
「どれ位の量を与えるんですか?」とたずねると、
「単棟で、2~3トン位ですかね!だからこの連棟立てのハウスには、だいたい8トン位入れますよ!」とのこと!!

この運搬車で何度も往復しながら、各ハウスに堆肥をまいていきます。
「堆肥の量もそうだけど、与える時期が重要なんですよ!最低気温が15℃を下回って初めて肥料を与えるんです。」と武路さん。

義武さんが補足いただきました。
「こぎゃんして、まだ葉っぱのあるうちに堆肥ば与えにゃんとたい。落葉の始まると果樹は休眠状態になるとだけん、その前のまだ活動している時期に肥料を与えることが基本中の基本たいね!!」

「収穫はもうすっかり終わとるとばってん、こぎゃんしてまだ葉のしっかりしとるでしょ?これが大事!!だけんこそ、しっかりと貯蔵養分ば蓄えきるとたいね!!」
「でも、これだけ肥料を与えると、雑草も生えるんじゃにですか?」とたずねると、

「そう!その通り!!でも、この草達がまた大事とたい!“草生栽培”て言って、この草達も大切な役目ば果たしよるとばい。堆肥ばしっかり与えると、地の浮くって言うか、土がふかふかになるとたい。その上、この草達が根ば地中に伸ばすことで土を耕してくれよるとたいね。随分以前は耕運機で耕したりもしたけど、そうするとぶどうの果樹の根も切ってしまうとたいね。だけん、草に耕してもらって、空気と水を土に送って、その後は草刈りをしてその草も有機肥料にするとたいね!!」

この時期落ちているぶどうの葉っぱは、ぶどうの果実を大きく甘く実らせるために活躍し、役目を果たした者たちです。そのまま有機肥料となります。
堆肥をたくさん与えた土には雑草も生えるのですが、これがまた大切な役目を果たしているのです。

「この堆肥ば与える前に、土壌バランスを整えるためのミネラルなんかもやっとつとたい!笠さんが来るならと思って、1ヶ所その散布をしとらんところがあるけん、武路と見て来るね?」そう言っていただき、別のハウスに移動することにしました。

「社方園」さんの『高級種なしぶどう』は、親子2代の匠によって育てられています。
この美しさはまるで宝石箱のようですね!
来年もまた、同じく光り輝き、みずみずしくも甘いぶどうを作り上げるため、しっかりと手をかけて育てています。
明日もまた、この続きのお礼肥えの取材の様子をご紹介したいと思います。
お楽しみに!!
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
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