2013年4月12日(金) 晴れ
原木しいたけの「コマ打ち」作業について、たっぷりとご紹介します。
熊本県菊池市水源にある弊社(㈱旬援隊)は、自然豊かな環境にあります。
ここは、「菊池渓谷」(熊本県菊池市)にほど近い山の中です。ここより先(山の奥)には、誰も住んでなく、敷地内にある電柱は最後の電柱(電柱の果て)です!笑
菊池渓谷は、日本森林浴の森百選や日本名水百選に選ばれるなど、阿蘇外輪山の豊な自然に恵まれた、四季折々の景観が美しいスポットです。写真は1週間ほど前の満開の桃の花と木蓮です。山へ続く林道はいずれ行き止まりになります!笑
この豊な自然の中で、自ら畑を耕し、烏骨鶏を飼い、果樹を育て、「食の生産」の苦労や喜びを学びながら、「わが家の専用農家さん(契約農家さん)」が育てる、“本物”と呼べる食材をご案内しています。
さて、今日は原木しいたけのコマ打ち作業についてお話いたします。
昨日のブログで、コマ打ち作業までの準備段階の、葉枯らしした原木、コマ打ちの後に、雨や日光から守るための“シバ”についてお話しました。今日はいよいよコマ打ち作業です。
原木しいたけ栽培については、匠の農家さん「小春農園」さんに取材に行き、そこでお教えいただいたことを、自分でもやってみます。
「小春農園」さんは、原木ジャンボ生しいたけ『トリプル1』や、幻の白い『長生たけのこ』、柑橘王『デコポン(肥後ポン)』などなどを育てる、匠の農家さんです。
原木しいたけつくりに関しては、私の師匠でもあります。写真は「小春農園」代表の小原正宏さんと、息子さんの将輝さんです。
<コマ打ちのに必要なもの>
1.電動ドリル
2.金づち
3.しいたけのコマ
4.成し遂げるんだと言う強い気持ち!
まずは、電動ドリルで原木に穴を空けます。その穴にのちほどしいたけのコマを打ち込むのです。
このように“千鳥(ちどり)”と呼ばれる並び方、穴が交互になるように空けます。
そうすることで、しいたけの菌が原木の隅々まで満遍なく延びることができるのですね!
原木に対して、直角になるように電動ドリルで穴を空けます。
穴を直角にすることで、より奥の方までコマを打ち込むことができ、菌もしっかりまわるのです。
片手で支えられるほどの太さの原木なら、このように作業すると効率が良いです。上から穴を空けていった後は、次は下からするとスムーズに作業ができます。
片手で支えることができないほど太いものは、置いたまま作業をします。
大切なのは、等間隔でまっすぐに空けていった後、次の穴はその間、間に空くようにして、“千鳥”にすることです。最初は5ヶ所、次は4ヵ所といった具合に空けていきます。
これは「小春農園」さんに取材に伺った時の写真です。
しいたけ菌は、原木の繊維にそって伸びるので、穴を空ける縦の間隔は広くてもかまいません。
千鳥にした穴のこの間隔は、これくらい狭くしておかないと、しいたけ菌が原木にきれいにまわることができないとお教えいただきました。
この間隔からすると、私が空けた穴は、ちょっと広すぎますね・・・。師匠からはダメだしされそうです(笑)。
次に、いよいよ空けた穴に、コマを打っていきます。
これが、しいたけ菌を培養して定着させた「コマ」です。ホームセンターなどにも販売してありますが、私は「小春農園」さんより、3000コマお譲りいただきました。
空けた穴にコマを差込み、金づちで叩いて打ち込んでいきます。
このときは、ドリルでの穴あけ作業から、コマ打ち作業を撮影するためにそのまま行いましたが、本来はもっと薄手の手袋でないと作業効率は上がりません。
1つ1つの穴に、1個1個コマをさして、打ち込んでいきます。
電動ドリルでの穴がきちんと垂直に開いているのがわかる、コマのささりかたです。この点は師匠にお褒めいただけるのではないでしょうか?笑
金づちを使い、コマをたたき、奥までしっかりと打ち込みます。
最後は、金づちの面の角を使ったり、反対の細いほうを使ったりして、このようにしっかりと打ち込んでいきます。
翌日、弊社スタッフの小学2年生の息子(太陽くん)が、春休みでお手伝いに来てくれました。
すごく上手に「コマ打ち」をやってくれました。
お手伝いのお礼に、「太陽専用原木しいたけ」を作ってあげることにしました。
太陽くんが、自分で全部ドリルを使い穴をあけ、自分で全部コマを打った世界に1つの原木です。しっかり管理して、来年の秋に一緒に収穫が出来れば嬉しいですね!
打ち終わった原木は、“シバ”をのせました。
しいたけ菌には日光(紫外線)は大敵です。用意していた“シバ”の量が少なかったので、寒冷紗で補っています。
私は、弊社スタッフや太陽くんに手伝ってもらいながら、2日間で1000コマの「コマ打ち」ができました。
正直、ヘトヘトになりました。
残りの2000コマは、その1週間後にまたスタッフの協力のもと何とか打ち終えることができました。
この作業を、何十万コマと行う「小春農園」さんは、やはりすごいです!!
今後も、「本伏せ」の作業をし、1年以上じっくり菌を成長させ、本伏せの地から、栽培地へ移動させ、「ボタ木起こし」をして、いよいよ収穫です。
なんと、最初の原木の伐採から、丸2年もの歳月を要して、原木しいたけは作られ、やっと収穫できるのですよ。
あなたがスーパーなどで見かけるしいたけは、「原木しいたけ」ですか?それとも「菌庄しいたけ」ですか?これほどの手間ひまと歳月を要する「原木しいたけ」は、国内生産量の約2割です。「原木“生”しいたけ」ともなれば、ほんの1割です。
もし、大変希少な「原木しいたけ」ならば、このような苦労と手間ひま、2年もの歳月を要し育てられたのだとちょっとだけでも思い描きながらご賞味いただければ幸いです。
自ら、原木しいたけの「コマ打ち」をしてみて、農家さんたちの本当の苦労を少しは知ることができました。
2年後、この苦労の分の収穫の大きな喜びを私も感じたいものです!
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
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