FLC日記 2013年3月30日(土) 晴れ
「原木にコマを打ち込む穴をあけるのは、ドリルを垂直に入れないといけません。まっすぐあいていないとコマを打ちにくいし、しいたけ菌が奥まで届くようにするためです。」
そうお教えいただいたのは、「小春農園」さんの小原将輝さんです。
「小春農園」さんでは、完全な無農薬、無肥料で最高級の『原木しいたけ』を栽培しています。
今日は、その栽培工程の中の「コマ打ち」の取材日記です。
クヌギやナラの木の原木から育つ、原木しいたけ・・・
その生産の過程のたくさんの労力と多くの年月を要することで、日本国内のしいたけ生産量のわずか2割にまで落ち込んでいます。
原木“生”しいたけとなると、その割合はさらに減って、約1割程度です。
熊本県山鹿市鹿北町の「小春農園」さんは、その『原木しいたけ』にこだわりぬき、原木の伐採から2年もの月日をかけ、大切に大切に育てていきます。
11月に原木を伐採して、約5ヶ月間その場に置いておき「葉枯らし」といって、原木を乾燥させます。
昨日のブログでご紹介したように、その伐採した原木を栽培用の長さ(1m5cm)に裁断する「玉切り」という工程を経て、今日は「コマ打ち」の作業です。
「小春農園」代表の小原正宏さんと奥様、お父さんの正法さん、と息子さんの将輝さん、それにコマ打ち名人のベテランのお姉さま?2人がお手伝いに来ています。
「コマ打ち」をするには、まずは原木にドリルで穴を開けないといけません。
その作業を正宏さんと将輝さんがしています。
毎年繰り返される作業とは言え、そのスピードは驚きです!
「そぎゃんゆっくりどんしよるなら、終わらんもん!笑」と私に笑顔で話しかけながらも、どんどんと穴を開けています。
「小春農園」代表の小原正宏さんに、実演していただきながら、その手順をご説明いただきました。
「5、4、5、4で明けていくとたい。うちは1m5cmでボタ木(原木)をそろえてるでしょうが、だけん千鳥にして5、4で明けるとたいね。」
何のことか全くわからず、ぽか~んとしている私に、さらに詳しくご説明いただきました。
「こうして、端から開けはじめるでしょ!そうしたら、まずはまっすぐ5ヶ所明けるとたいね。」
「次は、その間になるように4ヵ所開けて、こうして交互(千鳥)になるようにするとよ。それを1周まわしていくけん、5、4、5、4の千鳥っていうわけたい。」
「ただ、そこで重要なのが、穴の間隔たいね。しいたけの菌は、この原木の繊維にそって伸びるけん、こっちは広くても良かとたいね。」
「こっちは、これくらい狭い間隔で開けて、コマば打たんと、原木にしいたけ菌がきれいにまわらんたいね(しいたけ菌が全体に伸びないたいね)。さぁ!せっかくだけん、笠さんもドリルばしてみらんね!!」
というわけで、実践させていただきました。
まずは、ドリルのコードをからませないように、ベルトに通してスイッチを入れ、いざ!!
なんともぎこちないへっぴり腰です。笑
何回かさせていただいているうちに、少しずつ様になってきましたが、下の方はなかなか上手く直角に開けることができません。
それを見ていた正宏さんが、
「もっと原木ば倒さにゃんたい!それとね、笠さんは上からばっかり明けていきよるでしょうが、俺たちは上からしたら、次は下から明けていくとたい!笑」とアドバイス。
なるほど!ちょっと位では極めれる技ではないようです。
「さぁ、笠さんちょっと休憩しようか!」と正宏さん。
「笠さんの会社でのクヌギの伐採ばしたって言いよったろ?ドリルは貸すし、コマは分けてあげるけん、自分とこでもやってみらんね?」と言っていただきました。来年の秋には、ここ(㈱旬援隊)でも『トリプル1』を収穫できるかもしれません。
こんなに立派な『原木しいたけ』が出来れば良いでしょうが、道具やコマは同じでも、「小春農園」さんほどの匠の技と愛情を持って育てることは難しいでしょうね!
私のドリル実践のお話しまでしていたので、少々長くなりました。
つづきはまた明日のブログでご紹介します。
明日は、まさに「コマ打ち」の作業です。お楽しみに!!
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
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