FLC日記 2013年3月29日(金) くもり
「伐採したその場で、コマ打ちして伏せこんだほうがやっぱり良かとたい!その原木が育った環境っていうのが良いんだろうね!」
「小春農園」の代表小原正宏さんがお話いただきました。
ここは、熊本県山鹿市鹿北町にある「小春農園」さんが管理するクヌギの山です。
「小春農園」さんでは、現在日本のしいたけ生産量の約2割にまで減少した、「原木しいたけ」にこだわり続けています。
『原木しいたけ』とは、主にクヌギやナラノ木を原木とし、そこにしいたけの菌(コマ)を打ち込み栽培する方法です。
その工程は、今日の伐採から収穫できるようになるまで、2年以上を要し、とても手間ひまと時間がかかる栽培方法です。
「原木しいたけ」の栽培は、11月上旬の原木の伐採から始まります。伐採した原木はそのまま置いておきます。
これが、伐採した時の様子です。「葉枯らし」といって、倒したクヌギの水分をぬき、しいたけ菌が成長する状態まで約5ヶ月間待つのです。
そしてこの時期、クヌギが育った環境で「コマ打ち」をするために準備をします。
しいたけの菌が成長できるまでに枯らした原木に、「コマ打ち」をするため、伐採したままの原木をこのように同じ長さに切りそろえます。
その作業を「玉切り」と言います。
今日は、「コマ打ち」をする前の「玉切り」の作業の様子をご紹介します。
伐採したクヌギの樹木を、チェーンソウを使い、切りそろえていきます。「小春農園」代表の小原正宏さんと奥様、息子さんの将輝さんとお父様の正法さんの2手に別れてその作業は行われていました。
中央に見える地面に突き刺してある細い竹の棒は、その長さをそろえるための基準とする棒です。「小春農園」さんでは、1m5cmにそろえて切っていきます。
伐採の際に、「玉切り」の工程の効率を上げるために、同方向に向けクヌギの樹木は全て倒してあります。
とは言え、この急斜面では大変危険を伴う作業となります。
切りそろえられた原木は、谷に転げ落ちないように、斜面に対して縦に置いておきます。
その後、ワイヤーでまとめ、ウインチで「コマ打ち」をし、仮伏せをする平らな場所まで引き上げるのです。
正法さんとお孫さんの将輝さんのチームで、「玉切り」の作業工程をご紹介します。
まずは、基準棒で原木を切る場所にチョークで印をつけていきます。
その間に、原木にできる部分以外の枝を切り落としていきます。
その切り落とした枝もその後利用します。
「コマ打ち」をし、仮伏せ、本伏せをする際に紫外線や雨をよけるために上に乗せる“シバ”として利用するのです。
枝を落とした幹を、印のところで切断していきます。
チェーンソウの刃が、他の原木や地面、石などにぶつからないように、2人がかりで慎重に行います。
切り取った原木は、転げ落ちないように向きを変えておきます。その作業を繰り返していくのです。
どうですか、ほんの一部分だけをみてもかなりの重労働だと言うことがわかりますよね!
自然に育ったクヌギの原木を使って育てる「原木しいたけ」は、最も自然に近い状態で育つ、安全・安心なしいたけです。しかしながら、多くの手間ひまと労働、2年もの年月を要します。
「小春農園」代表の小原正宏さんはお話いただきました。
「『原木しいたけ』を作るには、こうやって、いろんな作業があるとたいね。今年も来年も再来年も、そのつぎもず~っと、安全で美味しい『原木しいたけ』を育てるために、このハードな作業ばせんといかんたいね。ばってんね、こうやって手をかけることでやっぱり美味しかしいたけのできるとたい!ぜひ多くの方に食べてほしかねぇ~!」
今回私のブログに初登場いただいた、代表の正宏さんのお父さん小原正法さんです。
正法さんのお父さんが原木しいたけ栽培を始めたのだそうです。
「あのころはね・・・、原木しいたけを作るのにね・・・」
おっとおっと、このつづきはまた後日!
今では知る由も無い、とっても興味深いおもしろいお話をうかがいましたので、またあらためてご紹介いたします。
明日は、いよいよしいたけ菌を原木に打ち込む「コマ打ち」作業の紹介です。
お楽しみに!
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
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