2012年10月24日(水) 晴れ
熊本県山鹿市鹿北町の「小春農園」さんに『原木しいたけ』の取材に伺いました。
「小春農園」さんは、柑橘王の『デコポン(肥後ポン)』、各種みかん、幻の『長生たけのこ』、樹上完熟『イチジク』などなどを作る匠の農家さんです。

これがしいたけの原木です。
「小春農園」さんでは、日本のシイタケ生産量のわずか2割まで減少した「原木(げんぼく)しいたけ」にこだわって、最高級のしいたけを栽培しています。

この原木にはすでにしいたけの元となる菌が根付いています。
原木(主にクヌギやナラの木)を伐採し、コマ打ち(菌を埋め込むこと)をし、約2年もの月日を経て原木に根付かせたものです。指で示していただいているところに、先日までシイタケが立っていたそうです。

これは、以前撮影したもので、伐採したその地でコマ打ちをし、「本伏せ」と言う形でじっくりと菌の成長を待っている状態です。
その状態から、今年の秋から初めてシイタケが立つ原木を降ろしてきて、今度は栽培と収穫をするこの場所に移します。
シイタケを栽培しやすいようにその原木を『ボタ起し』といって、立てていくための準備の作業です。

これも以前撮影した写真ですが、完成形はこんな感じですね。
このように、原木を立てかけるために真ん中の軸とする竹と、その竹を立てるための支柱の準備です。

山から切り出してきた、とても大きくて長い竹に、なたで切り込みを入れます。
小春農園の小原正宏さんと息子の将輝さんの2人がかりでの作業です。

たてと横に切込みを入れた後は、このような十字になった道具を使って、竹を割っていくのです。

竹の間に挟みこんだ十字になった道具をハンマーでたたきながら進んでいき、竹を4等分に割っていきます。1本の竹を割るだけでも息が上がるような、かなりの重労働です。

見事に4等分に竹が割れました。
この竹を割る作業を、何本も何本も繰り返し行います。
正宏さんが「笠さんもやってみるね?」と冗談っぽく言って頂きましたが、経験のない私がそう簡単にできる作業ではありませんでした。

ここは、携帯電話も届かないような山奥・・・。
美しい山水が流れる清流のほとりにあります。
この新鮮で清らかな水も、シイタケ作りには欠かせないものです。

今の作業をしているすぐ横には、山葵(ワサビ)が自生しています。
清らかな水でなければ絶対に育つことのできないワサビが元気に育つほどの清らかな水の山です。

「小春農園」さんの、『原木しいたけ』は、この豊かな森と水の環境の中、とてつもないほどの労力によって作られています。
これほどまでの労力と手間ひまが必要だから、原木しいたけは国内生産量の2割にまで減少しているのです。
今、販売店で並んでいる「しいたけ」のほとんどが「菌床シイタケ」です。工場のような設備で作られているものです。
原木しいたけは、完全な無農薬、無肥料で栽培する、しいたけの本来の力を活かした栽培方法です。
しかしながら、多くの手間ひまと時間、労力を要します。
「小春農園」さんは、それでも『原木しいたけ』にこだわり続けています。
安全で美味しいしいたけを作り、食べていただきたいと言う思いからです・・・。
本日ご紹介した、『ボタ起し』のための準備作業は、まだまだ始まったばかりです。この続きはまた後日ご紹介いたします。
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
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