2012年7月11日(水) 雨
農業にはさまざまな方法があります。
今回は、水耕栽培について取材してきましたのでご紹介します。
熊本県菊池市にある、水耕栽培でほうれん草を育てている鍬田美智子さんのハウスです。
いろいろな農家さんを訪ねて取材してきましたが、土のない畑(ハウス)は初めてでした。
この1列1列が、プールになっていて、そのプール(通称ベッド)で水を循環させ肥料を与えサラダほうれん草、サラダ菜を栽培しています。
これは収穫を終え?なのか、次の栽培に向け準備中のベッドです。
ご覧のように全く土はありません。
水耕栽培では、水に栽培するそれぞれの作物にあうように施肥設計された、栄養素を調合し混ぜて栽培します。
肥料の3大要素の窒素、リン酸、カリウムと微量要素を計算して配合し希釈して与えます。
こちらはサラダ菜ですね。
もちろん全く土がない畑で栽培されています。発泡スチロールの上に浮いた上体で栽培されているのです。
これは、発気用の設備です。水に空気を送り込む設備ですね。わかりやすく言うと、金魚の水槽のブクブク見たいなものです。
植物は根っこからも空気を吸収しますので、水の中に空気(酸素)が無いと植物は育ちません。
通常、土の中では十分に酸素があり、根っこからも吸収しているのです。この設備で、元気に育つ空気を含んだ水を循環させることができるのです。
このようなきれいなサラダ菜が育ちます。
水に浮かんだ状態で全く土がなくても、水の管理と栄養素の管理で元気に育つんですよね!本当に驚きです。
全てが順調に行くわけではありません。
ほうれん草は18~20度が栽培の適温とされています。夏のこの時期、25度を超えるとどうしてもカビや土壌細菌が入り込んでくるのです。できる限り殺菌剤などの消毒をせずに栽培してるので、このベッドの分はほぼ壊滅状態になります。ハウスで水耕栽培で育てていても、やはり植物です。工業製品のように確実に出来上がるというわけにはいかないのが現状ですね。
鍬田さんは、今年からこの場所を借りて水耕栽培を始めたとのことでした。
「もっと上手くできるようになったら、また取材に来てください。」とはずかしそうにお話いただきました。このハウスを貸されているのは、熊本梨・ぶどうを栽培されている「本藤果樹園」の本藤猪一郎さん(写真右)です。
今まで、取材時には長靴を履き土にまみれること覚悟でうかがっていましたが、こういった農業もあること初めて知りました。
いろいろな農業の現実を今後もご紹介できればと思います。
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
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