FLC日記 2012年7月2日(月) 雨
昨日に続き、「小春農園」さんの原木しいたけの本伏せ作業の取材を書きたいと思います。
「小春農園」さんでは、日本のシイタケ生産量のわずか2割まで減少した「原木(げんぼく)しいたけ」にこだわって、最高級のしいたけを栽培しています。

原木しいたけとは、このように原木(主にクヌギ、ナラの木)にしいたけのコマ(しいたけ菌)を打ち込み、原木の栄養素のみで栽培する方法です。
それに反し、現在主流となっている「菌床しいたけ」は、おがくず等に肥料を加え“菌庄”として栽培する方法です。温度や湿度管理をすることで、1年を通して収穫が可能です。
原木しいたけは、完全な無農薬、無肥料で栽培するしいたけの本来の力を活かした栽培方法です。その分手間ひまがとてもかかるのです。
「小春農園」さんでは、その手間ひまをかけても「原木しいたけ」にこだわりぬき栽培しています。

さて、ここからは昨日の作業の続きです。
「仮伏せ」と呼ばれる、原木を平積みにしてしいたけ菌を満遍なく原木に成長させた状態から、それを「本伏せ」という風通しの良い上体に組みなします。真ん中に風が通るようにスペースを確保して、このように組上げました。

しいたけは太陽の光(紫外線)にとても弱い菌です。シバと呼ばれる竹の枝や原木を伐採する際に出るクヌギやナラの木の枝をかぶせていきます。
崩れ落ちることのないように、満遍なく、交互にシバを乗せていきます。この竹の枝は、幻の白い『長生たけのこ』の林から伐採し用意していたものです。
「小春農園」さんでは、一般的には原木を伐採した時に出る枝をシバとして使用することが多いのですが、ここでも一手間賭け竹でのシバを採用しています。

この日は雨上がりで、足場がぬかるみ運搬機が登れません。運搬機についてる“ウインチ”を使いシバの束を引き上げています。

ウインチから伸びるワイヤーを林の木にくくりつけ、滑車をつけ引き上げていきます。
シバの束自体の重みに加え、引き上げる際にいろんなところに引っかかるので、かなりの負荷がかかっていました。

その時です!
大きな音と共に滑車をくくりつけていた木が真っ二つ!こちらに倒れてきました!幸い、このような事態も想定して、誰も近くにいなかったので、ケガすることもありませんでしたが、大変危険な作業でした。写真で見ても明らかに先ほどまでくくりつけていた木がなくなっているのがわかりますよね。
息子の小原将輝さんが駆け寄り先ほどよりさらに大きな木にワイヤーをくくりつけ直し、作業再開です。

心配そうに見上げる小原正宏さんです。
事なきを得て、「笠くんに怪我もさせることなく良かったよ!」と、私のことまでねぎらっていただきました。

シバの束には笹の葉がたくさんついていますが、2~3度その場で振るときれいに落ちてしまします。
枝だけになった竹を「本伏せ」した原木にきれいに交互に乗せていきます。

そんなこんななハプニングもありましたが、やっと1ヵ所の「本伏せ」作業がほぼ終わりました。この上に、原木伐採の時の枝をおもりとして乗せて終了です。
ただこの作業、この日のこの現場だけで、あと10ヶ所も繰り返されるのです。本当に時間と労力と手間ひまをかけた「原木しいたけ」作りが行われていることを知りました。
今日「本伏せ」をした原木から収穫ができるのは、2回の梅雨を過ぎたあとです。この作業後も、「小春農園」さんの徹底管理は続いていきます。

これは、「小春農園」さんで、先日いただいたこの時期に収穫する「夏菌」で栽培したしいたけです。本当にきれいで見事なしいたけですよね!私は、バター醤油と、塩コショウの2つの味でいただきました。いずれも薄味にして、「原木しいたけ」の食感、風味、旨みを存分に楽しみました。
「FLCパートナーズストア」では、「小春農園」さんのこだわり原木しいたけ(生)を期間限定で販売中です。もちろん今収穫し販売している「原木しいたけ」は、2年前にこのように「本伏せ」をし、その後森の中に移す「ボタお越し」という作業を経て収穫されています。
この夏の時期に原木で育てられた生シイタケは大変貴重な商品となっています。興味のある方は、下記ホームページよりチェックしてみてください。
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
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