FLC日記 2012年6月6日(土) 雨
「小春農園」さんに先日、原木しいたけの取材に行っていきました。
熊本県山鹿市鹿北町で、今では国産しいたけのシェアの約2割ほどとなってしまった、こだわりの原木(げんぼく)しいたけを作っています。
※しいたけの栽培は現在では菌床栽培が主流になってきていて、毎年原木しいたけの生産割合は減少しています。
見てください!この見事なしいたけ!(6月12日(火)撮影)
主にクヌギやナラによる、原木にしいたけの菌を打ち込んで(駒打ち)育てます。
しいたけの収穫は、本来、秋から冬にかけてと春先です。
この時期に生のしいたけを作るには、専用の菌(夏菌)を使って、発生操作という作業をしなければなりません。
発生操作については、また後日ブログにてご紹介します。
今日は、まず原木へのこだわりについてです。
ここは携帯電話も届かないような山奥です。クヌギの林を昨年秋に伐採して、今はその地にしいたけの原木を「仮伏せ」しています。
昨年秋に伐採したクヌギです。伐採の時期にもベストのタイミングがあり、11月5日前後の気温15度くらいの限られた時期にその作業をします。
最初に植樹をしたときには成長まで約15年くらいかかりますが、この切り株からまた次の幹が大きく育つまでは、7~8年程度です。根がしっかり張っているので、2回目以降の成長は早いとのことでした。
これが仮伏せの状態です。伐採した時のクヌギの枝葉と、竹の枝で上手く湿度を保つようにしてます。
実は、ここまで葉っぱが残るようなタイミングで伐採するのが、非常に難しいのです。葉っぱが残るようなタイミングで伐採して、「葉枯らし」という状態で、栄養をたっぷりと含んだ原木の水分のみを葉っぱから蒸発させて乾燥させます。
順追って説明すると、まず伐採し、葉枯らしをして、駒打ちをします。
その後がこの仮伏せと呼ばれる状態です。適度な水分を保つために、地面に伏せています。上に乗せているクヌギの枝葉と竹の枝をよけて、中を見せていただきました。原木に白い部分が見えると思いますが、これがしいたけの菌です。力強く奥まで菌が伸びていってますね。養分がたっぷりある原木に、適度な湿度がキープできている証です。
取材時に分けていただいたしいたけを、ここに戻り撮影しました。
本当に、見事なしいたけです。
新鮮そのものなので、できる限りそのままの味を楽しもうと、石づきをはずしフライパンでさっと炒め、塩コショウでいただきました(もちろん石づきもおいしくいただきました)。風味、旨み、食感いずれもまさに“本物”の味です。肉厚もあり食べ応え充分です。
生産者の顔のわかる食材は、やはり一番の贅沢ですね!
FLCパートナーズストアで、販売に向け準備中です。予約制での販売で、朝採り、即日発送でお送りしたいと思います。
ぜひ、原木しいたけの本物の味わいを多くの方にご賞味いただきたく思います。
FLCパートナーズストア 笠 泰紀
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